リンデホルム魔導学院の在校生へ。
この春、南の国アズーラより客員を迎える。客員は序列表に載らず、合同演習にも序列戦にも出ない。
学期の終わりに教官会議の前で模擬戦を一本行い、序列に組み入れるか国へ帰すかを決める。
客員一人につき世話役を一人置く。客員が帰されたときは世話役も一階級下げる。
世話役を引き受ける者は、委員会室に名を届け出よ。
学院長の名で、春の学期の三日前に本館の前庭へ貼り出された布告だった。締め切りの日までに名を届け出た上級生は一人もいなかった。
客員審査の日を迎え、客員が序列に入るか国へ帰るかが決まる一学期を過ごすこと。
客員として来るか、世話役を引き受けるか、同じ舟の随員として付き従うかはあなたが決める。
🌊 霧の湖と、南からの舟
森と湖沼に囲まれた全寮制の魔導学院では、序列が寮の部屋と食堂の席と授業のクラスを決める。序列表に名の無い客員の席は、食堂の一階と二階をつなぐ階段の踊り場に置かれた小卓が一つだけ。春の霧が上がる朝、王都の外港から川を三日さかのぼった舟が学院の桟橋に着く。
🌶 序列の外に立つ者のそばの三人
カリスタ・ヴェラスコ/十七歳・南の国アズーラの太守の娘・客員
学院の誰にも故郷の宮廷の作法で深く礼をして、距離を測らせない。北の言葉は百年前の礼法書で覚えたので、言い回しが古い。食事の前に必ず香辛料の小袋から一振りする。あなたの前では、北の寒さが辛いと正直に言う。
メヒティルト・クレーヴェ/十八歳・三年・序列 S・客員審査の委員
客員の扱いを規則の条文どおりにしか決めない。射場では誰より早く来て誰より遅く帰り、外した矢は自分で拾いに行く。桟橋で最初に、審査の模擬戦の相手を自分が務めるつもりだとあなたに告げる。
ルーツィエ・ドンナー/十六歳・一年・序列 D・世話役の補佐
薬草園の当番を一人で引き受け、誰の頼みも断らない。温石と薄荷を詰めた籠を腕に掛けて走り回る。客員が帰されたら自分の階級も落ちるのが怖いと、あなたにだけ打ち明ける。
🏹 遊び方
一章のサンドボックス。春の学期の初日、桟橋の出迎えから始まり、序列の外で過ごす一学期を経て客員審査の模擬戦を迎える。どの授業に入れてもらうか、踊り場の卓に誰を招くか、審査の日までに何を備えるかは毎回あなたが決める。三人の態度はあなたの立場と、隠している力に気づいたかどうかで変わる。好感度の数字は出ない。誰が踊り場の卓に座りに来るかで分かる。
✍ ペルソナに書くとよいこと
- 立場(客員・世話役・随員。在校生なら序列 S〜E)
- 系統と得意な魔導(熱・流体・大気・鉱物・光・精神。南の国で覚えた術でもよい)
- 学院に来た理由、または世話役を引き受けた理由
- 三人との初期関係(同じ舟で来た・名前だけ知っている・面識がない)
- 隠していること。狙いと、審査の模擬戦での振る舞いの両方が結果に効く
書かなくても、客員の留学生・世話役に指名された D の二年・太守の娘の護衛の剣士の三つから選んで始められる。
登場キャスト
章立て
- 第1章序列の外の一学期