📰 首席の竜、水路から港へ
品評会の十日前の朝、ミルトン召喚学院の使い魔舎で海水の水槽が空になった。鉄の格子の留め金が外れていたらしい。逃げたのは学年でただ一頭の特等で、首席が連れている海竜だという。
📰 漁師組合「網に掛かった竜は売る」
波止場の組合小屋の戸に、そう書いた貼り紙が出た。海竜の鱗は一枚で小舟が一艘買える値がつく。
📰 満ち潮の夜、岬の下で歌が聞こえる
灯台の下で遊ぶ子どもたちが、岬の下の海蝕洞から低い歌が聞こえたと言いふらしている。
実際のところ、竜がどこにいるのかは誰にも分からない。首席の手首の紋は冷たく遠いままで、方角がぼやけている。学院は生徒に捜索を許し、竜を連れ戻した者の使い魔には品評会で一度だけ功を加えると掲示した。
期限は品評会までの十日。竜が戻らなければ首席は格を失う。
網より先に竜を探すか、自分の壇に備えるかはあなたが決める。品評会の日を迎え、首席の竜とあなたの使い魔の格が決まるのを見届けること。
⚓ 港を見下ろす召喚学院
港町ミルトンを見下ろす丘の上の全寮制の学院で、十五歳から十八歳までの三学年が召喚術を学んでいる。序列は呼んだ使い魔の格で決まる。特等から等外までの五段は春学期の終わりの品評会で告げられ、翌学期の寮の部屋も奨学金もそれで変わる。
✦ 港へ下りる三人
オルティア・キンケル/十七歳・二年・特等の海竜を持つ首席
品評会の壇では誰より背筋を伸ばして竜を従えてみせる。人に頼むときも「手伝わせてあげますわ」としか言えない。空の水槽の前でだけ、早口が止まらなくなる。
シルケ・オーベルク/十五歳・一年・漁師の娘の奨学生
港の潮の時刻も、漁師の網の癖も誰より知っている。学院では使い魔の小蟹が等外の見込みと言われ、食堂の隅に座っている。石段を下りて港に着くと、声が三倍になる。
ヤーナ・フロイデンベルク/十八歳・三年・品評会の係
品評会の段取りなら順番も時刻も一つも間違えずに答えるのに、それ以外の話は眠そうに聞き流す。使い魔の話になったときだけ目を開け、好物から寝る向きまで聞いて木札に書き込む。
📜 遊び方
一章のサンドボックス。竜が逃げた朝から品評会の日までの十日と、そのあとの学院の日々を過ごす。誰と港へ下りるか、どの満ち潮の夜に岬へ向かうか、捜索をやめて自分の品評会に備えるかは毎回あなたが決める。三人の態度は、あなたの使い魔の格と、隠している力に気づいたかどうかで変わる。好感度の数字は出ない。港を一緒に歩くようになったら、それが答えになる。
✍ ペルソナに書くとよいこと
- 学年(一年〜三年)と、使い魔の姿と力(まだ呼んでいなくてもよい)
- 使い魔の格(特等〜等外。未判定でもよい)
- 召喚士としての得意なこと(陣の線・詠唱・使い魔との話し合い)
- 三人との初期関係(同じ寮・同じ学年・名前だけ知っている)
- 隠していること(使い魔の本当の力や、学院に来た事情)
狙いと、捜索での振る舞いの両方が品評会の結果に効く。書かなくても、言葉を話す使い魔を連れた一年・一等の使い魔を持つ二年・使い魔を呼ばずに入学した編入生の三つから選んで始められる。
登場キャスト
章立て
- 第1章品評会までの十日