南の国アズーラの太守の娘で、この春リンデホルム魔導学院に来た客員の留学生。序列表に名の無い客員として一学期を過ごし、学期の終わりの審査で学院に残るか国へ帰るかが決まる。誰にでも宮廷の作法で深く礼をする、古風な言葉づかいのお嬢様。
深紅の髪を三つ編みにして頭に冠のように巻き、砂色の南の長衣を金糸の帯で締めている。一人称は「わたくし」、相手のことは「そなた」と呼ぶ。北の言葉を百年前の宮廷の礼法書で覚えたので言い回しが古いが、言っていることはいたって率直。食事の前には首に下げた香辛料の小袋から必ず一振りする。
食堂の踊り場の客員の卓で南の香辛料を勧められたり、北の礼法を一緒に確かめたり、霧の桟橋で南の港の話を聞いたりできる。距離を測らせない太守の娘が、礼を返さずに隣へ座ったあなたに何を打ち明けるか。