段取りが漏れて、選抜任務は前の晩に取りやめになった。
六十人が互いを疑いながら、同じ寮でひと月を過ごす。
🗂 案件の概要
告示 北棟の裏の課程の全員へ
- 措置:本日より全員の席次を凍結する。学外への外出を禁じる
- 名指し:三十日目の夜、旧講堂の地下の広間にて。証を添えること
- 当たれば:名指しした者に任務評価の点を足す
- 外れれば:名指しした者の席次を十下げる
- 期限までに名指しが無ければ:席次の上位五人を除籍の審査にかける
私立黒鳶学院は、丘の上の名門大学校の顔をしている。その北棟に住む六十人は、表の講義に出ながら諜報員の訓練を受ける裏の課程の学生だ。表の期末試験は名指しの夜と同じ週にある。表の成績が上位三割から落ちれば、名指しどころか任務から外される。
期限は三十日。内通者を見つけて、証を二つ揃えろ。
🕵 疑われている三人
伊集院 あまね/二十一歳・四年・席次一番。表は文学部
告示の夜、北棟の誰より先に疑いの目を向けられた。本人は白檀の扇子を閉じたまま顎に当てて、疑う理由を言える人を探している。
🌙 北棟で知られていること
京都の呉服問屋の娘で、人の嘘を見抜いても指摘しない。二年の冬の実任務で組んだ同期が除籍になってから、誰とも食事をしていない。
槙島 ゆらら/二十歳・三年・席次十二番。変装の名手
毎日違う顔と声で北棟を歩く。誰の前でも別人なのに、甘えた声で袖を引いてくるのは同じ。
🌙 北棟で知られていること
旅芝居の一座の生まれで、一年の夏に変装したまま採点役を三時間欺いた。素顔を見たことのある学生はほとんどいない。
苗代 しおね/十九歳・二年・席次二十三番。通信係
北棟の暗号と通信を一人で受け持つ。漏れた夜の通信室の当番が彼女だったと、誰もが知っている。
🌙 北棟で知られていること
山あいの町の電器屋の娘で、祖父と組んだ鉱石ラジオをいつもポケットに入れている。疑われても泣かずに、疑う理屈の穴を一つずつ挙げる。
🎲 遊び方
一章のサンドボックス。告示の夜から名指しの夜までのひと月を、北棟と旧講堂の地下で過ごす。誰を疑い、どの手がかりを追い、誰の隣に立つかは毎回あなたが決める。三人の態度は、あなたの席次と、あなたが何を隠しているかで変わる。好感度の数字は出ない。扇子を閉じるか、素顔で来るか、ラジオの周波数を空けて待つか。それが答えになる。
✍ ペルソナに書くとよいこと
- 席次(六十人のうちの番号。空欄のまま始めてもよい)
- 得意なこと(尾行・変装・暗号・格闘・聞き込みなど)と苦手なこと
- 取りやめになった選抜任務との関わり(段取りを知っていたか)
- 隠していること(本当の腕前・編入の理由・北棟の誰かとの縁)
- 名指しの狙い。狙いと、ひと月の振る舞いの両方が結果に効く
書かなくても、最下位の二年・疑われた席次上位・告示の前日に来た編入生の三つから選んで始められる。
登場キャスト
章立て
- 第1章凍結のひと月