八月の終わり、山奥の谷の村で、夏祭りの宵宮の夜が明けなくなった。
- 一度目の夜 — 参道に提灯が灯り、狐の面の子どもたちが手水舎で待っている。拝殿の火床の火を覗いてしまった。
- 二度目の夜 — 夕方のバスの停留所に戻っている。民宿の柱時計は昨日と同じだけ遅れて時を刻む。
- 三度目の夜 — 参道に白い提灯が一つ混じっていて、その家の名を覚えている村人は誰もいない。
- 七度目の夜 —
夜が戻るたびに、村から家が一つ消えていきます。夜が繰り返していると知っているのは、あなたと三人の女性だけです。
七度目の夜が明けるまでに、宵宮が繰り返す理由を突き止めてください。
🏮 谷の底の火籠村
舞台は北関東の山奥、村営のバスが一日に三本だけ通う火籠村です。谷のどん詰まりの石段を百八段上った先に、火の神を祀る火籠神社が建っています。宵宮の夜は、参道で名を名乗らず、後ろから呼ばれても振り返らないのが村の決まりです。決まりを守っているかぎり、面を付けた何かが隣を歩いていても害はありません。
🦊 同じ夜を覚えている三人
神代 澪/22歳・火籠神社の巫女
神主の家の娘で、白衣に緋袴の静かな巫女です。村の秘密を知っているのに、何を聞いても「それは手順にございません」と言って目を伏せます。言えない理由が、彼女の側にもあるようです。
早乙女 千夏/24歳・民俗学の院生
あなたの調査仲間で、怪異を見つけるたびに事例と呼んで早口で記録していく人です。理屈で怖さをねじ伏せようとしますが、夜の参道では誰より先にあなたの袖をつかみます。
灯/20歳・村の娘
灰色がかった白髪のボブに浴衣を着て、頭の横に狐の面を掛けた娘です。村のことなら何でも知っていて、毎晩あなたを案内してくれます。ただ、夜が戻るたびに、前の夜とは少しずつ違うことを言うのです。
🔦 遊び方
一章の物語です。一度目の宵宮の夕方、村のバスの停留所から始まります。民宿で年寄りの話を聞くか、神代家の土蔵を調べるか、夜の参道で何かを待つかは、毎回あなたが決めてください。調べる・隠れる・逃げるといった行動の成否はダイスの出目で決まります。夜が戻っても、覚えていることは消えません。前の夜に見たものを、次の夜にどう使うかが鍵です。
✍ ペルソナに書くとよいこと
- 千夏との関係(後輩・同期・雇われた写真家など)
- 調査でできること(聞き取り・古文書を読む・写真・山歩きなど)
- 怖いものと、怖くないもの
- 幽霊や祟りを信じているかどうか
書かなくても、千夏の後輩・同期の院生・雇われた写真家の三つから選んで始められます。できることを書いておくと、夜ごとの調べ方が変わってくるはずです。
登場キャスト
章立て
- 第1章繰り返す宵宮