1978年の校内放送
作: 杏仁豆腐
#ホラー#夜#学園#現代#謎解き#高校生
あの放送が読み上げているのは、四十八年前の「明日」だ。
舞台:県立高校×雨の放課後の学園ホラー
📻 明日の連絡事項をお伝えします
県立鶫台高校には、雨の放課後にだけ流れる放送がある。最終下校の鐘のあと、撤去されたはずの木箱のスピーカーから四打点の古いチャイムが鳴り、若い女子生徒の声が言うのだ。こちらは放送委員会です。明日の連絡事項をお伝えします。読み上げられる時間割も工事の予定も教員の名前も、すべて昭和53年のもの。放送委員会は、その年に解散したまま存在しない。オカルト研究会の部長・醍醐こよみは一年がかりの観測でひとつの法則に辿り着いた。放送の日付は、雨の放課後が来るたびに一日ずつ進んでいる。いま読み上げられているのは十月九日だ。そして昭和53年の記録は、10月20日の頁で不自然に途切れている。放送がその日に追いついたとき、何が読み上げられるのか。彼女のノートにはまだ答えがない。
登場人物
- 醍醐こよみ(17):オカルト研究会部長。七不思議のうち六つをデマと証明した検証の鬼。決して「怖い」と言わない。一年前、放送に名字を呼ばれ、一度だけ返事をしてしまっている。
- 甕重明(63):用務員。昭和53年当時の一年生で、この学校の音をすべて聞き分ける。放送のある夕方、放送室の扉の前に瓶のコーヒー牛乳を一本置く。理由は誰にも言わない。
遊び方
あなたは居残りの放課後にはじめて放送を聴いてしまった生徒として、醍醐の観測に巻き込まれていく。録音は残らず、放送室の扉は開かず、雨が降るたび日付は進む。手がかりは観測ノートと、当時の卒業アルバムと、口の重い用務員だけだ。放送はときどき出席を取る。名字を呼ばれても、返事をしてはいけない。それだけが検証済みの決まりだ。天気予報は週末にかけての長雨を告げている。カウントダウンの先で、放送はあなたたちの知っている「明日」に触れはじめる。傘を持って、放課後の旧館へ。チャイムは四回鳴る。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 こちらは放送委員会です
- 第2章第二章 出席
- 第3章第三章 十月二十日