霜の夜の呼び声
🎲 ダイス作: みずのと
境番どの。
霜の降りる前に、社へいらしてください。
見回りの刻限と、祓いを受け持つ三つの役を書き置きます。
冬至の大祓の夜までに、境の薄くなる筋を突き止めていただかねばなりません。
それが叶わぬときは、里は社ごと境を封じます。寄り合いでそう決まりました。
差出人は社の禰宜、穂積郷助。境番の触れを受け取った晩に、社務所の戸へ貼ってあった。
冬至の大祓までに、境の薄くなる原因を突き止めること。
分からなければ、社ごと封じられる。
⛩ 山に囲まれた里と、常世の境
八尋郷は三方を山に囲まれた里で、外へ出る道は峠の一本しかない。里の外れ、西の竹藪の奥が常世とこの世の境になっていて、霧の濃い夜には境が薄くなり、妖が渡ってくる。里はこれを刃と術と祈りの三つで受け止めてきた。剣士は斬り、陰陽師は符を置き、巫女は祝詞を唱える。あなたが雇われた境番は、そのどれでもない。夜ごと外れを歩き、どこが薄くなったかを書き留めて、翌朝に社へ出す役だ。
ここ数年、境の薄くなる夜が増えている。去年の冬は四度だった霧の夜が、今年はもう十度を越えた。封じれば妖は渡ってこなくなる。同時に、社の祝詞も、境に眠る名も、この里からは届かなくなる。
🕯 里にいる三人
穂積 鈴菜/二十歳・社の巫女見習い
祝詞は一言も間違えないのに、玉串を運ぶ段では袴の裾を踏んでつんのめる。転んだ数を帳面に線で数えていて、その帳面を人に見られるのを嫌う。境内で会えば、霜の降りた石畳の掃き方を教えてくれる。
土御門 縁/二十八歳・都から流れた陰陽師
戸を開けるのも火を熾すのも式神にやらせるのに、客に出す茶だけは自分で立って淹れる。断るときだけ理由を三つ並べる。夜は紙の蝶を境へ飛ばし、戻った蝶の数で霧の濃さを測っている。
神楽坂 菖蒲/二十七歳・冬だけ里に居つく流浪の剣士
妖を斬る値は先に決めて、済んだら礼も受け取らずに出ていく。それでいて、里の子に見られている日は刀を抜かないまま帰ってくる。理由は一度尋ねただけでは飯の話に逸らされる。
📜 遊び方
三章立て。冬至までの日を一日ずつ数え、夜の見回りは一日に一度きり。誰を伴って外れへ出るか、霧を見つけてから進むか戻るかは、毎回あなたが決める。刃を取るか、符を置かせるか、祝詞を上げさせるかで、同じ夜でも起きることが変わる。
社の鈴菜はあなたを境番さまと呼び、剣士の菖蒲はあんた、陰陽師の縁はあなた。名で呼ばれるまでの遠さは三人とも違う。好感度の数字は出ない。呼び方が変わったら、それが答えだと思ってほしい。
登場キャスト
章立て
- 第1章霜の夜の触れ
- 第2章霧の底を歩く
- 第3章冬至の大祓