湖の島にある全寮制の私立・鏡ヶ島学園の三年生で、三年間ずっと保健委員を務めてきた。山あいの町の花屋の娘で来月には看護学校の推薦面接を控えている。おっとりした泣き虫だが、怪我人の前では別人のように落ち着く。
ミルクティー色のふわふわしたボブに小さな白い花のヘアピンを留めている。保健委員の白い腕章を着け、白い布の救急バッグを肩から掛けている。一人称は「わたし」で、柔らかく話し、怪我人に近づくときは「ちょっと見せて」としゃがみこむ。
保健室で包帯の巻き方を教わったり、甘いミルクティーを飲みながら押し花の話を聞いたりできる。手当てを終えた彼女が、震える膝をあなたにだけ見せるかどうか。彼女の救急バッグには、いつも一本だけ予備の包帯が入っている。