遺失物係は知っている
作: 杏仁豆腐
#ミステリー#学園#探偵#日常#高校生
落とし物は、持ち主の秘密を半分だけ話す。
舞台:放課後の遺失物窓口×学園の日常の謎ミステリ
🔍 旧購買室の窓口
県立真砂野高校の旧購買室には、放課後だけ開く遺失物窓口がある。新入生のあなたが押し付けられたのは、そんな閑職のはずだった。窓口の主である先輩小瀬村栞は、傘の巻きから利き手を当て、包みの結び目から持ち主を読む。そこへある日、奇妙な「拾得物」が届き始める。誰も落としていない、三年前に学校から消えたはずの備品たち。届け主の姿はなく、返却箱には丁寧に手入れされた品だけが残される。同じ頃、生徒会の監査役監物航大が、三年前の帳簿の空白を抱えて窓口に現れる。先輩は答えを知っている顔で、あなたが考え終わるまで待っている。監査役は帳簿を正したいだけで、誰かを罰したいわけではない。そして品を運ぶ誰かには、三年分の理由がある。失くしたはずのないものは、なぜ今、還ってくるのか。窓口の台帳には、今日もまた一行、新しい品名が書き加えられる。
登場人物
- 小瀬村栞(17):遺失物係を三年続ける先輩。観察の名手で、答えを知っていても後輩が考えるまで言わない。含み笑いと疑問形で人を追い込む。他人の秘密は集めるだけ集めて、誰にも言わない。
- 監物航大(16):生徒会監査委員。規則と手続きの人だが、事実の前では自説を即座に撤回する。帳簿の空白は、いつか誰かを傷つけると信じている。冗談が通じたときは、三秒遅れて笑う。
遊び方
手がかりは品物そのものにある。備品シールの管理番号、届く曜日の規則、値札を剥がした糊の跡、布包みの結び方。観察を口にすれば先輩が質問で返し、記録を照らせば監査役が裏を取る。届け主を特定したとき、この謎は「誰がやったか」から「どう着地させるか」へ変わる。これは犯人捜しではなく、落とし物をあるべき場所へ返す物語だ。規則と温情のあいだで、いちばん傷の浅い答えを見つけて、最後の一言を選ぶのはあなただ。観察は先輩に学び、裏取りは監査役と組んで進めればいい。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 失くしたはずのないもの
- 第2章第二章 月曜の返却箱