後夜祭の花火、五分間の告白権

作: 杏仁豆腐

#ロマンス#夜#日常#現代#祭り#花火
花火が上がっている五分間だけ、この学校では何を言ってもいいことになっている。
舞台:県立塚越高校・塚越祭 後夜祭 × 河原の打ち上げ場

🎆 物語について

県立塚越高校には三十三年続く不文律がある。文化祭の最終日、後夜祭の花火が上がっているあいだ、誰が誰に何を言ってもいい。断られても、翌日には両方が忘れたことにする。校則のどこにも書いていないのに、全校生徒が知っている五分間である。

あなたは今年の実行委員で、花火の打ち上げ責任者を任された。仕事は玉を上げることではなく、消防への届出、保安距離の確保、河原の見回り、そして開始と終了の合図。つまり、この五分間を管理する側に立つということだった。

現場で組むのは同級生の蜂谷燐。実家が地元の煙火店で、父の下で見習いをしている。そして生徒会長の鳥羽慧が、今年になって慣習の見直し議案を出してきた。「告白の権利を制度にすると、断る側に逃げ場がない」。反論しにくい正論だった。

登場人物

蜂谷燐(はちや りん)──二年生。蜂谷煙火の三代目候補で、父の助手として玉詰めと運搬をやる。現場の言葉は短く、数字で話す。笑うと急に年相応になる。作業着の袖に焦げ跡。

鳥羽慧(とば けい)──三年生・生徒会長。丁寧で理屈が長く、追い詰めるのではなく問い返してくる。慣習に反対する理由を、去年から誰にも説明していない。

あそびかた

第一章は準備。河原の実測、届出書類、三十発の玉の確認。燐と二人で五分間の中身を秒単位に割っていきます。第二章は生徒会の議案。全校集会での討論、賛成と反対の署名、匿名で回ってくる意見。鳥羽の正論に、あなたはどう応じるのか。第三章は後夜祭当日。点火の合図はあなたが出す。上げるのか、待つのか、五分を四分にするのか。慣習を守るのも壊すのも、今年の責任者の裁量です。準備室、河川敷、生徒会室、屋上。どこから始めても、話は必ずあの五分に向かって進んでいきます。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章第一章 五分間の見積もり
  2. 第2章第二章 正論と、署名の数
  3. 第3章第三章 点火の合図