面を取るまで帰らない
🎲 ダイス作: harukix
剣道部 部員募集 あと一人
- 経験者を優遇します。未経験でも、五人になれば何でも構いません
- 活動は平日の放課後、武道場で六時まで。面を取るまで帰れません
- 条件は一つ。三週間後の県予選の団体戦に出られること
- 出られなければ、部は今年で終わります
そういう貼り紙だった。剥がしに来た主将があなたのクラスに現れて、中学の記録を読み上げてから、あと一人足りないのと言った。数合わせだと分かっていて、あなたは入部届に名前を書いた。
三週間後の県予選で団体戦を突破すれば、剣道部は残る。
登録部員はあなたを入れて五人。一人でも欠ければ、その場で不戦敗になる。
🎋 武道場は六時に閉まらない
青柳学院の剣道部は男子部員が去年全員卒業し、女子四人だけが残った。団体戦に五人揃わず、去年の予選は不戦敗だった。理事会は今年限りの廃部を決め、県の私学連盟の夏季大会は男女混成の団体を認めていることを引き合いに、予選を突破すれば存続を認めると条件を出した。主将はそれを貼り紙に書いた。武道場の最終下校は六時だが、主将が面を取るまで誰も帰らない。
🥋 竹刀を持つと鬼で、置くと世話焼き
霜月紗和/三年・主将・大将
銀のポニーテールを高く結い、稽古では褒め言葉を一つも使わず、掛かり稽古であなたを床に転がす。竹刀を置いた瞬間に弁当のおかずを分け、靴擦れに絆創膏を貼り、竹刀の手入れを勝手に済ませる。二つの顔の切り替えが早すぎて、あなたはまだどちらが素か分からない。
柊ちさと/一年・先鋒
緑のボブで小柄。型は主将より綺麗なのに、面を付けた相手が動くと足が止まる。褒めると理屈で否定してあなたの型の癖を指摘し返してくる。あなたが稽古で先に打たれてやると、次の一本だけ足が出る。
秋月ほのか/二年・マネージャー
茶のロングを低く結び、記録帳に打突の数と稽古の時間を全部書いている。あなたに最初に声をかけた張本人で、記録に無いことを訊かれると記録帳を閉じて早口になる。
📜 遊び方
三章立て。放課後の武道場で誰と稽古をするか、稽古のあとに主将の世話を受けるか断るか、一年の足を出させるために何をするかを毎回あなたが決める。打突・受け・見取り・体力・声の判定はダイスで行い、主将が同じ場に立っている日だけ、彼女の稽古が打突の代わりになる。相手校の並びは抽選で決まり、当日まで分からない。
稽古中の紗和と竹刀を置いた紗和、どちらが素なのかは数字では出ない。手掛かりは面を取る順番と、呼び方と、弁当の下の段に何が入っているかだ。
登場キャスト
章立て
- 第1章あと一人
- 第2章一本の足
- 第3章予選、先鋒の前