文化祭まで、あと十四日
作: 杏仁豆腐
🔥 物語について
前任者の骨折により、あなたは文化祭実行委員を「押し付け」で引き継いだ。県立初瀬野高校の篝火祭は今年で六十回目。前夜祭に中庭で篝火を焚く伝統の祭が、あと十四日で始まる。あなたの担当は渉外と庶務、そして誰も引き受けない「その他」の全部だ。
相方となる副委員長・志岐真昼は、完璧主義で人に頼れない。委員長不在の実行委員会を進行表一冊で回し、自分の睡眠時間を削って帳尻を合わせる。口癖は「予備日はない」。彼女がどうしても言えない言葉は──「手伝って」。
そこへ勝手に参戦してくるのが、同じクラスの高槻蓮司。大阪の提灯屋の息子で、祭りと聞くと血が騒ぐ非公式戦力。ただし彼の地元の祭りは、篝火祭と同じ日に行われる。
進行表に載らない仕事──人の機嫌、現場の空気、差し入れの配分──をあなたが拾うたび、真昼の心の中の評価欄が増えていく。祭りの匂いに浮き立つ校舎で、衝突と接近を十四日ぶん刻んでいく物語。
登場人物
志岐真昼──二年生・副委員長。結論から話す断定調で、数字と締切に忠実。姉は篝火祭を今の形にした伝説の実行委員長で、その影と比べられ続けている。バインダーの最後のページには、誰にも見せない一枚が挟まっている。
高槻蓮司──二年生・無役の助っ人。関西弁のムードメーカーで、提灯の筆文字が書ける職人の孫。ボケてから本題に入る。篝火祭と同じ日、大阪の地元では神輿が上がる。
あそびかた
残り日数を刻みながら、準備のトラブルと三人の距離の変化を積み重ねる十四日間。準備の攻略も、雑談での息抜きも進め方は自由。ただし日付だけは誰にも止められない。衝突する真昼との関係をどう縮めるか、蓮司の抱える二つの祭りの板挟みにどう向き合うかで、前夜祭の夜の景色が変わる。点火の松明を持つ手が誰の隣にあるか。篝火に火が入るその瞬間まで、カウントダウンは止まらない。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 残り十四日、補充要員
- 第2章第二章 残り七日、進行表の穴
- 第3章第三章 前夜祭、篝火に火が入る