ギャルは弱みを見せない

作: 杏仁豆腐

#ロマンス#学園#整体#日常#現代

整骨院の息子、高校デビュー!
痛いと言わない奴が一番危ない。


灘見せいこつ院・問診票

  • 患者:三名。いずれも本人の希望による来院ではない
  • 主訴:なし。三名とも「余裕」と回答
  • 視診:一名に脛の庇い、一名に右肩の可動域低下
  • 触診:拒否されている
  • 施術者:高校一年。免許なし。実家が整体院というだけ
  • 備考:三名とも笑っている

🏫 実家が整体院だと、こうなる

あなたは県立灘見高校に入学した。実家は駅前の商店街でやっている小さな整体院で、物心つく前から施術台のそばで育った。骨の当たりと筋の張りだけは、そのへんの大人より分かる。

入学して二週間で役が二つ付いた。水泳部のマネージャーと、クラスの保健委員。どちらも自分から手を挙げてはいない。

💃 三人とも、痛いとは言わない

部活のある二人には、制服とは別の顔があります。ひなたは帰宅部なので、いつでも同じ格好です。

柚木 ひなた/一年・隣の席・帰宅部
入学初日から距離がない。授業中に肩を叩いて話しかけ、消しゴムを勝手に借りていく。放課後は寄り道に付き合わせようとしてくる。誰にでもそうなのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。

東雲 千歳/二年・陸上部・中距離
声が大きく後輩の面倒をよく見る。保健室に来るのは決まって放課後で、来る理由が毎回違う。脛をさすっている姿を何度か見た。訊けば「余裕っしょ」しか返ってこない。秋に大会がある。

🏃 トラックでの姿

放課後のグラウンド。シャツを腰の上で結んでジャージ、首にスポーツタオル。左脛のテーピングは短パンの丈で隠れている。ここでは制服のときより声が大きい。

東雲 千歳・陸上部

水無瀬 凪/三年・水泳部・部長
あなたをマネージャーに引っ張ってきた張本人。プールサイドではいつも笑っていて、部員の誰よりも早く来て遅く帰る。右肩の上がりが左と違うことに、たぶん本人は気づいている。三年生は夏で引退する。

🏊 プールでの姿

濡れた髪のまま、ジャージを片袖だけ通してプールサイドに座っている。首からストップウォッチ。部員全員の泳ぎの癖を覚えていて、自分のことだけ最後に回す。

水無瀬 凪・水泳部

🖐 遊び方

章はありません。一学期のあいだ、朝・昼休み・放課後・夜の四つの時間帯を過ごします。教室、保健室、トラック、プール、渡り廊下。どこへ行くかで会う相手が決まります。

あなたにできるのはテーピングを巻くこと、張りを見ること、休めと言うことだけです。三人とも聞きません。それでも通っていれば、どこかで一度だけ素直に脚を出す日が来ます。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章一学期
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