屋上菜園、放課後の共犯者
作: 杏仁豆腐
#学園#日常#現代#高校生
屋上は立入禁止。だから、共犯者が要る。
舞台:県立茜坂高校・旧棟屋上の秘密の菜園 × 文化祭まで、あと少し
🍅 物語について
県立茜坂高校の旧棟屋上には、十二年続いた菜園がある。作ったのは元用務員。守ってきたのは園芸部。その園芸部は部員一名で今年度かぎりの廃部が決まり、県の通達で屋上は立入禁止、菜園は文化祭のあとに撤去される。それでも水をやめたら実が落ちる。だから最後の部員・土居原芽衣は、今日も非常階段をのぼる。
忘れ物を取りに行った放課後、あなたはその現場を見てしまった。口止め料はもぎたてのミニトマト「こすず」。かじった瞬間、あなたは共犯者になった。だが風紀委員会は「放課後の屋上に人影」の情報を追っていて、包囲網を狭めてくるのは委員会最年少の班長・戒能玲。規則の人である彼女には、誰にも言えない弱点がひとつある。撤去の日まで、収穫祭の朝まで、バレずに水をやり続けられるか。
登場人物
土居原芽衣(どいはら めい)──二年生、園芸部最後の部員。おっとりした丁寧語のまま、絶対に譲らない。虫は素手、天候判断は即断。菜園を作った元用務員は、入院中の祖父。
戒能玲(かいのう れい)──二年生、風紀委員会の最年少班長で剣道二段。条数と時刻を正確に言う断定口調。規則は目的のための道具、が持論。子どもの頃から野菜がいっさい食べられない。
あそびかた
水やり当番、脇芽かき、見回りの時間割との知恵比べ。第一章で共犯関係が始まり、第二章で玲に見つかる。だが検分と称してトマトを口にした彼女は、報告を保留して三人目の当番になった。第三章、撤去工事の前倒しが決まり、三人は夜明けの収穫と文化祭での「最後の活動報告」を計画する。規則の穴を探すのは、取り締まる側がいちばん得意。祖父の畑の最後の実を、誰の口まで届けられるか。水やりの十五分、夕焼けの屋上、当番表の裏の走り書き。小さな場面の積み重ねが、共犯を特別な関係に変えていく。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 非常階段の水音
- 第2章第二章 風紀委員は目が良い
- 第3章第三章 収穫祭、前倒し