帰還戦、峠の学院にて

作: ねじまき屋

帰還戦、峠の学院にて

本年の帰還戦に招く卒業生へ

晩秋の朔の日に峠を上り、初雪の前の日まで旧修道院の房で過ごしていただきたい。ひと月のあいだは在校生と同じ規則に従い、朝の鐘で起きて、旧大食堂の長い石の卓で同じ黒パンを食べていただく。相手には在校の S から一人を選んだ。勝った者の名は回廊の石板に刻まれる。初雪のあとは峠が閉ざされるので、春まで王都へは戻れないものと心得ておかれたい。

差出人はザイフェルト魔導学院の学院長ヘルマン・ツェラー。同じ文面の写しは聖堂の大扉にも打ちつけられ、在校生は今年の相手の名と一緒にそれを読んだ。付き人を命じられた一年の名は、その下に小さく書き足されていた。

帰還戦のひと月を過ごし、石板に刻まれる名が決まる日を迎えること。
招かれた卒業生か、迎え撃つ在校の S か、付き人を命じられた一年か。どの立場で峠に立つかはあなたが決める。


⛰ 峠の上の旧修道院

ザイフェルト魔導学院は王国の北の峠に建つ古い修道院を作り替えた学院で、石の回廊が中庭を囲み、北に聖堂と鐘楼がそびえている。生徒は S から E の序列で寮の部屋と食堂の席を分けられ、上位は鐘の棟に、下位は修道士の房に住む。

帰還戦は毎年晩秋に一度だけ開かれる。卒業して三年目の卒業生が一人招かれ、ひと月を在校生と同じ暮らしで過ごしてから、在校の S と回廊の円の中で立ち会う。在校生の側が勝てば、王都の魔導師団へ推挙される慣わしもある。

✦ 門で出迎える三人

ヴァルトラウト・ヨルク/十八歳・三年・序列 S
朝の稽古場で誰とも口を利かず、夜明け前の素振りを一度も欠かしたことがない。今年の相手に選ばれるはずだと学院の誰もが思っていた剣士で、木剣を二本持って現れる日がある。二本目を誰に渡すつもりなのかは本人しか知らない。

ヴァルトラウト・ヨルク

マルゴット・ジーベル/十七歳・二年・序列 A・卒業生の案内役
学院の噂ならたいてい知っていて、誰にでも軽口を叩く。施療室の蜂蜜の壺を抱えて歩き、案内のついでに一匙すすめてくる。三年前の帰還戦の話になると、なぜか冗談の数が増える。

マルゴット・ジーベル

アンネリース・ホフ/十六歳・一年・序列 E・旧大食堂の給仕当番
長い石の卓の端で、誰の杯にも黙って水を注いで回る。藤色の癖毛をケープの襟に埋めるようにして歩き、話しかけられると谷の村の言葉がつい出てしまう。

アンネリース・ホフ

📜 遊び方

一章のサンドボックス。卒業生が峠を上ってくる日に始まり、帰還戦と初雪のあとの冬まで続く。朝の稽古場で誰と木剣を合わせるか、旧大食堂でどの卓に着くか、地下の書庫で三年前の記録を探すかは毎回あなたが決める。三人の態度はあなたの立場と、隠している力に気づいたかどうかで変わる。好感度の数字は出ず、呼び方と隣に座る回数が変わっていく。

✍ ペルソナに書くとよいこと

  • 立場(招かれた卒業生・帰還戦の相手の在校生・付き人の一年・そのほかの在校生)
  • 序列と系統(熱・流体・大気・鉱物・光・精神)。卒業生なら卒業したときの序列と席次
  • 帰還戦に向けた狙い(勝つ・負けない・立ち会いを見届ける)。狙いと当日の振る舞いの両方が結果に効く
  • 三人との初期関係(三年前の学院を知っているか、名前しか知らないか)
  • 隠していること(本当の力や、峠を上った理由)

書かなくても、招かれた卒業生・相手に選ばれた在校の S・付き人を命じられた一年の三つから選んで始められる。

登場キャスト

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章立て

  1. 第1章帰還戦のひと月

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