アンネリース・ホフ

アンネリース・ホフ

by ねじまき屋

ザイフェルト魔導学院の一年で、序列 E。旧大食堂の給仕当番として、長い石の卓の端から誰の杯にも黙って水を注いで回る素朴な後輩だ。峠の東の谷の村から来た奨学生で、話しかけられると村の言葉がつい出てしまう。

藤色のふんわりした癖毛を揺らしながら、錫の水差しを両手で抱えて、卓のあいだを歩く。一人称は「うち」、語尾は「〜だに」「〜ずら」。恥ずかしがりで声は小さいのに、山羊とチーズの話になると止まらなくなる。水をひと口含めばどこの泉から汲んだかを言い当てられる。

夕べの旧大食堂で杯を満たしてもらったり、鐘楼の裏の泉へ水汲みに付き合ったり、谷の村の歌を教えてもらったりできる。いつも端の席にいるこの子が、自分の話をしてくれる日が来るかどうか。

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