ダイス判定を仕込む

物語には、行動の成否をダイスで決める仕組みがあります。出目も成否もサーバーが確定し、語り手はその結果どおりに描写します。失敗は失敗として書かれるので、書き手の思惑どおりに進まない展開が生まれます。ここでは遊ぶ側の操作と、作る側の設定の両方を扱います。

遊ぶ側 — 振り方は 3 つ

ダイスを使う物語は、探索の一覧に「ダイス」バッジが付きます。会話画面では入力欄の上に 🎲 ダイス ボタンが出ます。振る導線は次の 3 つです。

  • ダイスボタンから自分で振る。🎲 ダイス を押すと「技能で判定する」シートが開き、技能の一覧が出ます。技能をタップすると、その場でサーバーがダイスを 1 個振ります。結果はトーストで出ます。
  • 語り手に求められて振る。応答の末尾で判定が要ると語り手が判断すると、「「観察」の判定が求められています。」というカードが出ます。🎲 振って続きを見る を押すと、振ってからその結果込みの続きが生成されます(文章を入力しなくてかまいません)。
  • 選択肢チップから振る。応答末尾の選択肢に 🎲 技能名 のバッジが付いていることがあります。タップすると先に判定を振り、そのあと行動テキストが送信されます。

振った結果はタイムラインに 🎲 観察 60% → 出目 42 → 成功 の形で残ります。結果は決定的成功 / 成功 / 失敗 / 致命的失敗 の 4 段階です。ロール自体にインクはかからず、消費するのは結果を描写させる次の送信の 1 ターン分だけです。

振り直しはできない

出た目が気に入らなくても振り直せません。振った直後は判定が「まだ描写されていない」状態になり、次の応答が出るまで次のロールは弾かれます。ボタンを押せないときは理由がそのまま出ます。

  • 会話を始めると判定できるようになります。 — 導入がまだ出ていません。
  • 応答の生成中は判定できません。 — 生成が終わるまで待ちます。
  • 前の判定がまだ描写されていません。次の応答を待ってください。 — 振った結果を描写させるまで、次は振れません。

出目と成否は AI が書き換えられません。ターン制の章では、致命的失敗のとき残り行動も 1 減ります(時間を失った、という事実として描写に乗ります)。

作る側 — どこを開くか

  1. 物語の編集画面で 高度な設定 ステップへ進み、ダイス タブを開きます。
  2. この物語でダイスを使う にチェックを入れます。初回は技能が 4 つ(観察・説得・運動・直感)自動で入ります。
  3. 技能とダイスシステム設定を整えて 保存 します。技能が 0 個のままだと保存できません。

技能をどう定義するか

技能は 1 つの物語につき 12 個までです。各技能の欄は次のとおりです。

  • 技能名: 20 文字まで。{ } と改行は使えません。名前は語り手が書くタグの照合キーになるので、記号や飾りを足しません。物語の中で名前が重複していると保存できません。
  • 種別: 判定(基準値で成否を決める) か 抽選(出目表で結果を決める)。
  • 説明: 100 文字まで。これは語り手にそのまま渡ります。「見落としや異変に気づく」のように、どんな場面で振るかが分かる 1 行にします。
  • 成功基準値: 判定技能だけの欄です。既定の D100 では 5〜95。空にすると 成功基準値(既定値) が使われます(既定値も未設定なら保存が弾かれます)。

語り手に渡るのは 技能名と説明だけです。成功基準値も出目表も渡しません。確率を見せると語り手が「70% なら大丈夫だろう」と確率で語り出し、サーバーが結果を確定するという前提が崩れるためです。

ダイスシステム設定

技能欄の上にある ダイスシステム設定 で、物語全体のルールを決めます。

  • ダイスの種類: D6 / D10 / D20 / D100。既定は D100 です。
  • 判定モード: 成功/失敗判定あり か 出目のみ(判定なし)。出目のみでは成否を判定せず、出目そのものを描写に使います。基準値・大成功値・大失敗値の欄は隠れます。
  • 使用タイミング: AI が自動で判断(従来通り) / ユーザーが指示した時のみ / カスタム。「ユーザーが指示した時のみ」にすると、語り手は判定を求めなくなります(判定要求カードが出なくなります)。「カスタム」はダイス効果ルールに書いた基準で判断させるので、効果ルールが空だと保存できません。
  • 判定方式: 基準値以下で成功 か 基準値以上で成功。
  • 成功基準値(既定値): 技能ごとの基準値が空のときに使われます。
  • 大成功値 / 大失敗値: 既定は 5 と 96 です。「基準値以下で成功」なら大成功値 < 大失敗値、「基準値以上で成功」なら大失敗値 < 大成功値でなければ保存できません。技能の成功基準値は、この 2 つに挟まれた範囲(既定なら 5〜95)にしか置けません。
  • ダイス効果ルール: 1000 文字まで。サーバーは解釈せず、語り手が描写で適用する演出層です。「出目が 3 の倍数のときは追い風が吹く」のように、確定した出目の意味づけを書きます。

出目が物語にどう反映されるか

振った瞬間、サーバーは結果を確定して次の応答へ渡すメモを立てます。メモには「成功率 60% に対し出目 42 で成功。この結果は確定事項であり、変更せずに描写へ反映する」といった文言が入り、決定的成功なら「明確な戦果を 1 つ確定して描写する」、致命的失敗なら「明確な代償を 1 つ確定して描写する」が足されます。

このメモは本文が確定してから消えます。だから振っただけでは何も起きず、次に送信した応答で描写に乗ります。判定要求カードの「振って続きを見る」は、この 2 手をまとめて 1 タップにしたものです。

選択肢チップに技能をバインドする

🎲 バッジ付きの選択肢は自動では出ません。ゲームルール タブに書いた指示が、語り手にその形式を書かせています。空なら 進行役の型を挿入 を押すと、次の 2 行を含む型が入ります。

  • 応答の最後を「どうする? ── 行動の候補/行動の候補」の一行で締めさせます。
  • 成否が不確かな候補には、末尾に ⟨技能名⟩ を 1 つ添えさせます。

この ⟨技能名⟩ が技能の名前と完全一致したときだけバッジ付きチップになります。一致しなければ普通のチップに落ちるだけで、本文は壊れません。使用タイミングを「ユーザーが指示した時のみ」にしていてもチップは出ます(形式を書かせているのはゲームルールで、ダイスの設定とは別の経路のためです)。

こうしたい

毎晩の来訪者を運で決めたい(成否ではなく、何が起きたかを決める)

どこで: ダイス タブ > 技能 > 種別 = 抽選

こう書く

  • 技能名

    「一夜目の来訪者」。説明は「一夜目の来訪者を占う」のように、いつ引くかが分かる形にします。

  • 種別

    抽選(出目表で結果を決める)を選びます。成功基準値の欄が消え、出目表が出ます。

  • 出目表

    行ごとに「上限の出目」と「結果名」を書きます。例: 40「岩窟のトロル」/ 80「行商人」/ 100「誰も来ない」。

こう扱われる

サーバーが振って出目表を引き、確定した結果名だけを語り手に渡します。タイムラインには「🎲 一夜目の来訪者 → 出目 63 →「行商人」」と残ります。

注意: 表は 2〜20 行です。上限は小さい順で、最終行はダイスの最大値に固定されます(どの出目にも必ず結果が決まるためです)。結果名は 40 文字までで、{ } と改行は使えません。表の中身は語り手にもプレイヤーにも見せません。

こうしたい

成否ではなく、出目そのものに独自の意味を持たせたい

どこで: ダイス タブ > ダイスシステム設定

こう書く

  • 判定モード

    出目のみ(判定なし)を選びます。判定方式・成功基準値・大成功値・大失敗値の欄は消えます。

  • ダイス効果ルール

    「出目が 3 の倍数のときは追い風が吹き、行動に小さな好転が起きる。最大値なら鮮烈な僥倖を、最小値なら思わぬ代償を 1 つ描写する。」

こう扱われる

タイムラインは「🎲 技能名 → 出目 7」だけになり、成功/失敗のラベルは付きません。意味づけは効果ルールに従って語り手が描写します。

注意: 効果ルールはサーバーが解釈しない演出層です。「出目 1 で即死」のように取り返しのつかない結果を書くと、語り手がそのまま実行します。

よくあるつまずき

  • D20 や D6 に変えたら保存できない(「大失敗値は 1〜20 の範囲で指定してください」) → ダイスの種類を変えても、大成功値・大失敗値は D100 のまま(5 と 96)残ります。面数の内側へ手で直します(D20 なら大成功値 2・大失敗値 19 など)。そのあと各技能の成功基準値も新しい範囲に入れ直します(欄の下に「成功基準値は N〜M の範囲です」と出ます)。
  • 抽選の物語で面数を変えたら「出目表の上限は 1〜20 の範囲で指定してください」 → 最終行だけは自動で追随しますが、途中の行は元の値のまま残ります。上限を小さい順に並べ直します。
  • 「判定技能には出目表を設定できません」 → 抽選から判定へ戻したのに表が残っています。種別を切り替え直すと表は落ちます。
  • 選択肢に 🎲 が付かない → ⟨技能名⟩ が技能の名前と 1 文字でも違うと、普通のチップになります。「観察(抽選)」のような飾りを、名前にもタグにも入れないでください。ゲームルールが空のままなら、そもそも選択肢の行自体が出ません。
  • 判定を求められているのにボタンが出ない → 語り手が技能一覧に無い名前を書いた状態です。「判定が求められています。ダイスボタンから技能を選んでください。」と出るので、ダイスボタンから振ります。技能の説明を具体的に書き直すと再発しにくくなります。
  • 判定を求められない → 使用タイミングが「ユーザーが指示した時のみ」になっていないか確認します。この設定では、語り手は判定を求めません。
  • 振ったのに描写に出てこない → ロールは無料で、描写は次の送信に乗ります。何か送るか、判定要求カードの「振って続きを見る」を使います。
  • ダイスボタンが見当たらない → ダイスは物語の機能で、シナリオの会話には出ません。完了した章の会話画面からも振れません。
💡 技能名は表示用の飾りではなく、語り手が書くタグと選択肢の ⟨技能名⟩ を解決する照合キーです。短く・記号なし・重複なしで付け、遊び始めたあとは変えないでください。名前を変えると、それまで語り手に覚えさせた書き方が全部外れます。