弁護役に名を書かれた方へ。
本年の春学期、退学を問われた生徒が三人おります。三人は三人とも、審問の前に弁護役を一人選べる古い決まりに従い、あなたの名を書きました。
弁護役は審問の日まで被告の生徒の行いを調べることを許されますが、審問の席で口を開けるのは一件につき一度だけです。三件は同じ日に太陽の間で続けて開かれます。
引き受けるかどうかは、明朝までに書庫へお知らせください。
春学期の三日目の朝、寮の扉の下に差し込まれていた手紙だった。封蝋には王家の太陽の紋があり、末尾に儀典長オーギュスタン・ベルナールの署名がある。同じ朝に本館の回廊の掲示板にも三件の審問の告知が貼り出されていた。
審問の日を迎え、三人が学院に残るかどうかが決まるのを見届けること。
誰の件を調べ、一度きりの言葉で何を差し出すかはあなたが決める。
☀ 王宮の丘の隣の学院
ソレイユ王立学院は王都の丘に建つ全寮制の四学年の学院で、生徒は S から E の階級に分けられる。審問の裁きは、儀典長が前例の巻物に照らして読み上げる。退学と決まれば、使い魔はその日のうちに還される。召喚科の S の女子ソレーヌ・ラクールは、弁護役は自分が務めるべきだったと儀典長に申し立てている。
✦ あなたの名を書いた三人
ガエタン・ルフェーヴル/十八歳・四年・召喚科の S
侯爵家の嫡男で、使い魔は黒い大鴉。誰に何を聞かれても皮肉で返し、夜の太陽の間で何を呼ぼうとしたのかを一言も話さない。羽根ペンの先で紙の端を叩く癖がある。
フェリシアン・シャトラン/十七歳・三年・平民の特待生の S
上位寮の階段で上級生に魔導を向けたのに、誰にでも笑って「自分が悪い」と言う。人懐っこくて、廊下で会うたびに頭を下げてくる後輩気質。使い古しの籠手の紐を、いつも結び直している。
エヴラール・コルデリエ/十八歳・四年・近衛騎士の家の次男の S
王宮へ通じる石橋の門限を破った理由を聞かれると、「答えられません」とだけ言う。寡黙で背が高く、腰に父の形見の細剣を下げている。黙って人の帰り道に付き添うことがある。
📜 遊び方
一章のサンドボックス。回廊に審問の告知が貼り出された朝から始まり、審問の日までのひと月、誰の件を調べ、どこで誰の話を聞くかを毎回あなたが決める。三人の態度は、あなたの階級と、あなたが隠している力に気づいたかどうかで変わる。好感度の数字は出ない。呼び方と、回廊で誰が隣を歩くかで分かる。
✍ ペルソナに書くとよいこと
- 学年と階級(S〜E。編入したばかりで空けておいてもよい)
- 系統と得意な魔導、使い魔の有無
- 得意なこと(前例を読む・人の嘘に気づく・剣や魔導の腕など)
- 三人やソレーヌとの初期関係
- 隠していること(本当の力や家の事情)
ペルソナに書いた力と、ひと月の調べ方の両方が審問の結果に効く。書かなくても、法学の家の E の二年・S を狙う A の三年・春に編入したばかりの娘の三つから選んで始められる。
登場キャスト
章立て
- 第1章弁護役のひと月