橋の真ん中で国が変わる

🎲 ダイス

作: harukix

#ファンタジー#主従#女性向け#宮廷ロマンス#旅#身分差#逆ハーレム#騎士

わが娘へ

明朝、お前は霧の峠を越えて灰の橋へ向かう。王国の条件により、公国から連れていける護衛騎士は三人までとする。隊長はアルノー・ヴェスタとする。残る二名は本人が名乗り出た者を選んだ。

五日ののち、橋の向こうで王太子の迎えがお前を待つ。橋を渡れば公国は王国の盾を得る。渡らなければ、わたしは次の手を持たない。

母の櫛を持っていきなさい。それから、この手紙は橋の上で開けなさい。

封のままの二通目が、この手紙に添えられていた。差出人は父の大公で、あなたに直接は何も言わずに、侍女を通して寄越した。

出発は明朝で、国境まで五日、護衛は三人まで。
橋を渡るか渡らないかを決めるのは、行列の先頭を歩くあなたになる。


🏰 小さな公国と、大きな王国

セレニア公国は山に囲まれた小国で、南の隣国ハルトラント王国に守られなければ東からの侵攻に耐えられない。王国は守る代わりに公女を求め、公国の兵を国内に入れない条件として護衛の数を三人に限った。輿入れの道は公都から霧の峠を越え、峠の修道院で一夜を明かし、レーヌ川にかかる灰の橋で王国の迎えに引き渡される。五日の道のりだ。

⚔ 三人の護衛騎士

レナート・ヴィスマール/二十四歳・護衛騎士
あなたの母の小姓だった男。慇懃な敬語で、何を訊いても「お望みとあらば」と返し、自分の意見を言わない。夜の見張りのときだけ声が低くなって、昼に言わなかったことを一つ足してくる。母と何かを約束していて、その中身を五日のうちに明かすつもりでいる。

レナート・ヴィスマール

ユリウス・ファルケ/十九歳・護衛騎士
鍛冶屋の息子から剣の腕で騎士になった。「殿下」としか呼ばず、命令は復唱し、時刻は正確に言う。自分から名乗り出た理由を訊いても「務めであります」の一点張りで、あなたを見るときだけ返事が半拍遅れる。十年前にあなたと会ったことを、本人だけが覚えている。

ユリウス・ファルケ

アルノー・ヴェスタ/三十一歳・護衛隊長
行列の指揮を執る。あなたを城で見て育った古株で、殿下と呼びながら口調は砕けている。峠の天気も宿の主人の癖も知っていて先回りして答えを出す。大公の命令を受けていて、それが何かを本人は「橋まで運ぶことだ」としか言わない。

アルノー・ヴェスタ

🐎 遊び方

三章立て。第一章は出発の前夜、城の回廊で三人が名乗るところから始まる。誰の馬の隣を走るか、夜の見張りに誰を付けるか、修道院で誰と話すかは毎回あなたが決める。観察・説得・乗馬・隠れる・礼法の判定があり、アルノーが隣にいる場面では彼の指揮を借りて観察を振れる。失敗すれば行列が遅れ、誰かの言い分を聞き逃す。

親密さを数字で見せる仕組みは無い。レナートの敬語が落ちるか、ユリウスが「殿下」以外の呼び方をするか、アルノーが命令の中身を話すか。橋の上で二通目の手紙を開けるとき、隣に誰がいるかで答えが変わる。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章三人の名
  2. 第2章峠の修道院
  3. 第3章灰の橋
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