宮廷錬金の登用試験
🎲 ダイス作: harukix
🗞 今年の錬金の椅子は決まっている
回廊の噂はそう言う。王立錬金局の登用は一名で、内務卿の甥が受けるのだから、課題は形だけだと。試験官補佐に取られた書記見習いは、その形を採点帳に書き写す役だと。
🗞 平民の娘が第一課題で首位に立った
噂はこうも言う。写本屋の娘が理論の筆記で満点に近い答えを書き、内務卿の甥は下から数えた方が早かった。錬金の工房に入ったことのない娘だそうで、二つ目の調合で落ちるだろうと。
🗞 主任は誰の側か
錬金局の主任は三年前に内務卿の推薦で椅子に座った。採点は主任が定める。噂では主任が中立を装うのは椅子を守るためだという。
実際のところを言えるほど、あなたはまだ何も知らない。分かっているのは、あなたが試験官補佐で、採点帳はあなたの手にあり、内務卿の秘書が今夜、封をした紙を書記の部屋に置いていったことだけだ。第三課題の前夜までに答えを寄越せとだけ書いてある。
三日の試験の裏で動く不正を暴き、正当な合格者に錬金の椅子を渡すこと。
書き換えれば宮廷への背信で、書き換えなければ内務卿に睨まれ、どちらの字も消せない。
⚗ 三つの課題と三人
登用試験は理論の筆記、調合、御前の実演の三つの課題で、日ごとに一つ進む。採点は主任が定め、補佐が記録する。補佐の記録が辞令の根拠になる。
アデリナ・ベルク/二十一歳・受験者
手袋を外さない。調合の手順を誰より正確に踏み、褒められると、よくあることです、と受け流す。丁寧語が時々、宮廷の奥で聞く言い回しに滑る。名簿の出身欄は南の町の商家になっている。
ノラ・ヴィンター/十九歳・受験者
写本屋の娘で、錬金の書物を全部写して覚えた。理論の筆記では首位で、工房の道具に触ったのは試験が初めて。手が震えるのを理論の確認で誤魔化す。一人称は「ぼく」で、「書物には」が口癖。
セラフィナ・ドルン/三十歳・王立錬金局の主任・試験官
採点表を見なさい、が口癖で、自分の意見を言わない。受験者の手袋の下を見たはずなのに、何も言わなかった。内務卿の推薦で椅子に座り、その内務卿の甥を採点する。
📜 遊び方
三章立て。日ごとに一つの課題が進み、誰の調合を見に行くか、秘書の紙にどう返すか、主任に何を聞くかは毎回あなたが決める。採点帳に書いた字は消せない。
ダイスは観察・調合・記憶・説得・忍び足の五つと、主任が同じ場面にいるときだけ使える目の支援。好感度は数字にならない。アデリナが手袋を外した日のことも、ノラが書物を引かずに問いを返した日のことも、採点帳の項目には無い。
登場キャスト
章立て
- 第1章補佐の辞令
- 第2章第二課題の夜
- 第3章御前の実演