狙われた目撃者

🎲 ダイス

作: kagerou_

狙われた目撃者

汐入埠頭の第三倉庫で、あなたは夜の十一時を回ったころに、灯りを落とした船から降りてくる男を三人見た。金の入った鞄。拳ほどの黒い箱。船の舷に付いた白い塗料の剥がれまで、いまも目に残っている。

翌朝、あなたを迎えに来たのは、警視庁特異能力犯罪対策課、通称・零課の三人だった。公判は七日後。それまでのあなたは、海灯町の臨港分庁舎の保護室で暮らすことになる。

七日後の公判で、あなたは証言台に立つ。埠頭で見た顔を三つ、言う。

  • 一日目 — 保護室の鍵を受け取る。窓は外から開かない
  • 三日目 — 会社の同僚が届け物を持ってくる。受付で一度止められた
  • 五日目 — 埠頭の方角で船の灯りが揺れる。凪沙がカーテンを閉める
  • 七日目 — この欄はまだ空いている

🌃 灯りの多い街

新灯京は2060年代の湾岸都市で、AR看板と無人タクシーと配送ドローンが当たり前にある。二十年前から、十代で一人に一種の能力に目覚める発現者が現れ、警視庁は特異能力犯罪対策課を置いた。能力を使えば必ず体に反動が出る。発熱、鼻血、頭痛、強い空腹。それでも零課の捜査官は現場に出る。

能力で得た情報は、裁判では証拠にならない。読心で聞いた言葉も、予知で見た光景も、記憶の閲覧で見た映像も、物証で裏付けなければ立件できない。零課の捜査は、能力で見当をつけてから、防犯カメラと押収品と記録の時刻を突き合わせる手順で進む。

🚔 あなたを守る三人

白鷺 詩織/二十五歳・零課の鑑識官
物に触れると持ち主の記憶が見える発現者。遺留品には「この子」と話しかけるのに、生きた人には敬語が抜けない。あなたの上着が証拠袋に入った日から、距離を詰められると固まる癖があなたにも向く。

白鷺 詩織

若葉 ネネ/二十一歳・零課の技官
触れた機械に意識を流し込む電子干渉の発現者。保護室の隣の部屋から、あなたの会社の端末と埠頭の入出庫の記録を読んでいる。長く潜ると熱が出るので、冷凍庫にソーダ味の棒アイスを箱で置いている。

若葉 ネネ

蒼井 凪沙/二十四歳・零課の狙撃手
数秒先の動きが見える発現者。外へ出るときの車と射線を受け持つ。あなたが撃たれる前に車を出すのに、あなたが何を言うかは見えない。予知を使いすぎると鼻血が出るので、ポケットにはいつもティッシュが入っている。

蒼井 凪沙

🗝 七日間の使い方

三章立て。一日目から七日目まで、あなたは保護室で眠り、誰かと外へ出る。同行する保護官は毎回あなたが選べる。誰と出るかで、使える技能が変わる。

凪沙と出れば、追われる前に車が出る。ネネと出れば、端末の記録が先に読める。詩織と出れば、押収品が語る。三人とも守る順番は守るが、守り方はそれぞれ違う。反動を隠しているのは、あなたに言わないだけである。

登場キャスト

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章立て

  1. 第1章保護室の鍵
  2. 第2章五日目の届け物
  3. 第3章証言台の朝

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