空気再生器が止まった
🎲 ダイス作: harukix
地上から四百キロの上で、整備拠点シラベの整備日誌は班長の字で毎日つけられている。最後の頁だけが途中で止まっている。
- 交代便の日 — 新人一名が着任した。水槽の成績は上位だが無重力は初めてで、浮いた工具を目で追う癖がある。第一区画の空き寝台を割り当てた
- 五日目 — 綿貫が第二区画の通路で浮いたまま寝ていた。これで三度目になる。起こす前に手だけ動いていた。放熱板の配管は終わっている
- 六日目 — 伏見から地上の便を受け取る。中身は班員に伝えない。補給船イサリは予定どおり三日後に到着
- 七日目 — 第三区画、空気再生器の循環ポンプが焼けた。予備部品なし。予備酸素で持つのは
そこで日誌は切れている。あなたは日誌に「新人」と書かれた側で、自分のことが班長の字で毎日書かれていたのを、この朝まで知らなかった。
補給船イサリの到着まで三日。それまでに第三区画の空気再生器を直し、三人と一緒にポートで船を迎える。
直せなければ、船が来る前に予備の酸素が尽きる。
🛰 三人と新人ひとりの拠点
軌道整備拠点シラベは、通信衛星とデブリ回収機を軌道上で整備するための細長い施設で、四つの区画が一列に繋がっている。常駐は整備班の三人だけ。地上とのやりとりは第四区画の通信室が一手に持ち、補給船は三か月に一度しか来ない。第三区画の空気再生器は、この施設で吸う空気を全部作っている。
🔧 班長と、寝ている整備士と、声だけの通信士
都築 汐里/二十三歳・整備班長
指示の前に必ず図面を広げる。班員が寝るまで自分は寝ないし、船外では新人を自分より先に出さない。一週間前に地上から届いた封書をまだ誰にも見せていない。名前で呼ばれるのは船外で一度あなたと組んだあとだけだ。
綿貫 るい/二十歳・整備士
無重力でしか眠れない。通路でも工具庫でも浮いたまま寝ていて、起こすと手だけが先に動いて配管を締めている。眠そうな声のわりに修理は誰より速く、地上に戻る話をされると急に早口になる。
伏見 紅葉/二十七歳・通信士
地上との連絡を全部持っている。無線ではあなたを新人と呼んでからかい、通信室に入ると急に手元を隠す。班長宛ての便を最初に読んだのは彼女で、読んだことを本人には言っていない。
📜 遊び方
三章立て。一日ごとに酸素の残りと直した箇所が状態欄に出る。どの区画を先に直すか、船外に誰と出るか、地上に何を報告するかは毎回あなたが決める。修理や船外作業や計算にはダイスを振る。失敗すれば酸素と時間が減り、成功すれば班の誰かがあなたの呼び方を変える。
汐里はあなたが図面を読み合わせたときに名前を呼ぶ。るいは自分より先に工具を掴んだときにそうなる。紅葉は通信室の扉を開けた回数で決まる。好感度の数字は出ない。
登場キャスト
章立て
- 第1章ポンプが焼けた朝
- 第2章二人一組の船外
- 第3章イサリの朝