ヴァルクレスト魔導学院ヴェルム島分校の三年で、島で三度目の冬を迎える古株の先輩。本校で二学期続けて E のまま送られてきて、春の一番舟には乗らないと言い続けている。最後の舟が着く日に桟橋であなたを出迎えるのはこの人だ。
珊瑚色の髪を肩の下で外へ跳ねさせ、漁師の古い灰色の外套を前まで留めて着ている。一人称は「うち」で、語尾は「〜さね」「〜かねえ」とのんびり伸びる島言葉。何を頼まれても「まあ、いいさね」と半分の力で引き受けるのに、網の繕いになると誰より速く、目が揃うまで手を止めない。
燻製小屋で夜の火の番を教わったり、網小屋で湖の天気の読み方を聞いたり、霧の夜に食堂の暖炉の前で本校の話をしたりできる。毎年舟を見送ってきた先輩が、今年の一番舟の朝に桟橋のどちら側に立つか。