ブラウエンヴァルト魔導学院の三年で、序列 S の生徒自治会長。演説も根回しも完璧で、冬至祭の前夜の選挙でも再選は確実と言われている。階級を問わず立候補できるよう規則が改まった冬に、あなたへ妙な頼みごとをしてくる先輩だ。
金の長い髪をゆるく波打たせて上半分だけ結い上げ、胸元に樅の実の首飾りを下げている。一人称は「私」。壇の上では大広間の隅まで届く声で話すのに、廊下の角を曲がるとため息をついて言葉が砕ける。全校の生徒の名前と好物を覚えていて、頼みごとはいつも相手の好物と一緒に持ってくる。
自治会室で演説の原稿を読み合わせたり、麓の町まで署名の用紙の追加を買いに付き合ったり、冬至祭の飾りつけを抜け出して中庭で話したりできる。負けたいと言う会長が、本当に誰かに負けることになるのかどうか。