王立航海魔導学院の四年で、序列一位の当直長。学院長が南の港で倒れたため、校舎の代わりの学院船を預かり、号笛一つで百二十人の生徒を動かしている。誰の前でも迷った顔を見せないクールな先輩だ。
浅葱色の長い髪を低い位置で一本に束ね、紺の船の外套を前まで留めて着ている。一人称は「私」、甲板では「〜なさい」と短く号令をかけ、命令には必ず理由を一つ添える。北の港の水先案内人の娘で、湾の浅瀬の深さと潮の時刻を全部そらで言える。そのくせ陸の流行りの話には少しも付いてこられない。
夜の当直で舵輪の脇に並んだり、上陸実習の班で島を測ったり、父の小屋で教わった索の編み方を習ったりできる。号笛を吹くこの人が、嵐の夜にあなたの名前を呼ぶかどうか。