学年一位と二位、席は隣

作: 杏仁豆腐

#ロマンス#学園#日常#現代#高校生
点差は六点。敬語の宣戦布告が、いちばん甘い。
舞台:私立照葉学園・二年A組 × 掲示廊下の順位表

✏️ 物語について

私立照葉学園には、定期試験の上位五十人を廊下に貼り出す名物がある。入学からの八回、その一位の欄にはずっと同じ名前があった。二階堂智紗。そして二位の欄には、ずっとあなたの名前がある。点差は最小三点、最大二十一点。掲示の上で隣に並び続けた名前が、九月の席替えで、教室でも隣に並んだ。

「よろしくお願いしますね。消しゴムを拾う程度のご協力は、いたしますので」──完璧な敬語で宣戦布告してくる女王と、前の席から「まとめて抜く」と吠える元バスケ部のエース・勝呂百花。三つ巴の攻防は、図書館の六番テーブルで思わぬ形の休戦協定に変わっていく。数学と英語は智紗が教える。現代文はあなたが教える。教え合いは休戦か、それとも新しい戦争か。

登場人物

二階堂智紗(にかいどう ちさ)──二年A組、学年一位を八連勝中。どんな相手にも崩れない敬語と微笑み。ただし現代文の心情記述だけが白紙になる。一位の座に固執する理由を、彼女はまだ誰にも話していない。

勝呂百花(すぐろ ももか)──二年A組、元女子バスケ部エース。肩の故障で引退し、三十位から三位まで駆け上がってきた。声が大きく、負けを認めるのも再戦を挑むのも早い。勉強はぜんぶバスケ用語で理解する。

あそびかた

放課後の六番テーブルで、教え合いと点の取り合いの日々を送る。第一章は席替えと休戦協定、第二章は中間試験へ向けた三人の勉強会、第三章では智紗が一位でなければならない理由が明かされ、期末試験が「順位以上のなにか」を懸けた勝負になる。手加減は一発で見抜かれる。全力でぶつかること、それがこの教室での礼儀であり、たぶん恋の始め方でもある。休み時間の消しゴム外交、購買のメロンパン、掲示の前の三者三様の顔。点数の話をしているはずなのに、いつの間にか点数以外の話になっている。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章第一章 席替えの籤は意地が悪い
  2. 第2章第二章 六番テーブルの休戦協定
  3. 第3章第三章 一位の理由
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