ソランジュ・ペルランは鐘の王国ヴェルナの街道を一人で旅する盲目の吟遊詩人だ。三年前に光を失い、春の王都の歌合わせを目指して道案内のいない旅を続けている。鐘楼の町の宿でリュートの弦を一本ずつ鳴らし、古い歌の陣を描いて、旅の供を呼んだ。
腰まで波打つ白金の髪に、光を映さない淡い灰の目をしている。一人称は「わたくし」、語尾は「〜かしら」「〜なのよ」と、歌うような古風な語り口だ。酒場でかけられる同情はいつも陽気な一曲で受け流すのに、相手の声や話し方はちゃんと覚えていて、名を聞くまでは声の様子で呼び分ける。
夜の鐘が鳴る町から町へ街道を並んで歩き、宿場の炉で焼き栗を分け合い、避難小屋の夜に歌を聞かせてもらえる。この詩人が春までに新しい一曲を書き上げるとき、その詞にあなたの声が入るかどうか。