ゾーエ・ベルクマイヤー

ゾーエ・ベルクマイヤー

by 遠雷

学術都市ヘルツァウの王立魔導研究院で召喚学講座の首席研究生を務める、三年前の学院の首席。この春学期は学院の D と E の実技を受け持つ臨時講師になり、最初の授業で名前は覚えないと言い放った不機嫌な年上の講師だ。

ワインレッドのウェーブのショートボブを耳にかけ、大きめの研究着を一番上の釦まで留めている。一人称は「わたし」、語尾は「〜しなさい」「〜でしょう」。生徒を対象と呼んで講義の口調を崩さないのに、教えたことができた相手には一度だけ低い声で「よし」と言う。冷めた珈琲を硝子瓶に入れて持ち歩く。

研究塔の地下の陣の部屋で基礎の線を一本ずつ直してもらったり、塔の食堂で豆の煮込みの話を聞いたり、序列戦の前の夜に稽古を頼んだりできる。学期末の序列戦までに、この講師に名前で呼ばれる日が来るかどうか。

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