七不思議、八つ目の椅子

作: 杏仁豆腐

#ミステリー#学園#現代

検証するほど、七不思議は増えていく。

舞台:取り壊しまで一年の旧校舎×民俗学ゼミの怪談検証ミステリ

🪑 八つ目の椅子

明治四十四年築の旧師範学校校舎白楊館には、古い七不思議が伝わる。開かずの音楽準備室には椅子が七脚あり、真夜中に八つ目が増える。民俗学の八重樫ゼミはこの怪談群の実地検証に乗り出した。ところが初日、施錠されたはずの準備室で、椅子は本当に八脚あった。しかも一つの怪談に説明がつくたび、数日後には新しい不思議が生まれ、七不思議は七つのまま保たれていく。検証の手順はいつも同じだ。標的の怪談を公示し、機材で測り、結果を貼り出す。だからこそ奇妙だった。新しい不思議は決まって検証の後に、鍵の掛かった区画の中で生まれるのだ。誰が、何のために。あなたはゼミの記録係として、怪談ではなく「怪談を作る人間」の謎へ踏み込んでいく。

登場人物

  • 八重樫玄(43):民俗学の准教授。怪談を嘘と呼ばず、共同体の記憶の器として愛でる。間延びした相槌の奥で、埃の筋一本を見逃さない。締切には致命的に弱く、事務書類は今日も鞄の中で眠っている。
  • 乾陽毬(21):オカルト全否定の同級生。否定のためなら誰より早く現場に着き、照度計と巻尺を担いで脚立に登る。実家は商店街の電器店で、検証機材はすべて父から原価で調達してくる。説明のつかない事象に出会うと露骨に不機嫌になる。

遊び方

あなたは記録係。現場の描写には手がかりが一つずつ埋まっている。ワックスの匂い、鍵の在り処、投書の文体、椅子の裏。観察を口にすれば二人が動き、仮説を立てれば検証が組まれる。新しい怪談が「いつ」「どこで」生まれるかに規則を見つけ、根拠を揃えて仕掛け人を言い当てたとき、物語は結末を選ぶ。告発か、黙認か、それとも保存運動の追い風にするか。怪異はこの物語に実在しない。あるのは人の手と、人の事情だけ。だから謎は必ず解ける。解いたあとにどうするかまで含めて、あなたの物語だ。取り壊しの日は、着実に近づいている。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章第一章 八つ目の椅子
  2. 第2章第二章 増える七不思議
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