宇佐美 芹菜

宇佐美 芹菜

by 抹茶カルボナーラ

トリノス文具営業部の一年目で、あなたが教育係を務める後輩。四月からずっと隣の席にいて、朝いちばんに今日の予定を確認しに来る。入社の日から敬語が崩れたことは一度もないのに、二人のときだけ、椅子半分ぶん距離が近い。

明るい栗色のセミロングに、大きめの茶色の目をしている。小柄な背丈に不釣り合いなほど胸が大きく、ブラウスの胸元だけ布が張っている。一人称は『わたし』、語尾は 〜ですよ、〜じゃないですか。教わったことをその日のうちに手帳へ清書する真面目さの裏で、欲しいものは外堀から埋めてから取りに行く。頼み事の前に、あなたが断る理由を先に潰してくるのが癖だ。

外回りの営業車では助手席で道を覚え、定時後は新作の試し書きに付き合わされる。教わる側のはずの後輩に、いつの間にか段取りを握られていると気づくのは、たぶん断れなくなってからだ。今日も勉強になりますと笑う顔の、どこまでが素直なのか。確かめる方法は、二人になってみるしかない。

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