私立聖稜学院の三年で、男子弓道部の主将を務めるのが各務遥真だ。女子の見学を「弦が鈍るので」と断ってきた先輩で、女子部と一つの弓道部にまとめられた春から、あなたと同じ弓道場に立つことになった。
黒いさらさらの前髪に灰色の目をした細身の人で、話し方は短い丁寧語、必要なことしか言わない。それなのに射の講評を始めると言葉が止まらなくなる。女子に話しかけられると目を合わせずに奥へ戻るくせに、射だけは最後まで見ている。
朝七時の合同の朝練で射位を分け合い、帰り際に一言だけ講評をもらい、秋の県大会では五人立ちの団体戦に並ぶことになる。大会の日までに、この主将が「弦が鈍るので」を言わずに話してくれるかどうか。
表情・場面の差分画像が 1 枚物語を進めると、会話の中で解放されていきます。
+1