転校生が実行委員になった
作: 紙魚
二年C組 学園祭実行委員 募集
- 人数:二名。クラス企画の立案と、当日の進行
- 条件:部活・委員会との掛け持ち可。届け出は要らない
- 受付:本日放課後まで。立候補が無い場合は話し合いで決める
- 提出物:クラス企画書。学園祭実行委員会へ一週間後の放課後まで
- 備考:企画書が出なければ、このクラスは展示なしになる
掲示が出たのは、転入して二週間目の月曜日だった。朝のホームルームで担任が出席簿の順に名を読み上げ、返事のない席を飛ばし、最後にあなたの前で指を止めた。立候補は一人もいなかった。反対を言う声も出なかった。
企画書の締め切りは一週間後の放課後。
用紙の五行は、まだ一行も埋まっていない。
🌸 桜丘学園の九月
南桜丘市の北の丘にある私立桜丘学園は、各学年に六つのクラスを持つ共学の高校だ。九月に入ると廊下の掲示板がクラス企画と部の出し物の紙で埋まり、放課後の教室には模造紙と段ボールが積まれ始める。学園祭は九月の下旬、土曜と日曜の二日間。クラスは一つの企画を出し、企画書を実行委員会へ提出する。締切を過ぎたクラスには、教室の場所も予算も回ってこない。
📋 手を貸す三人
三雲 ゆの/二年C組・天文部
一年の秋の観測会で月を見て入部した。昼は自分から話しかけず、指されたものを見てから返事をする。星の話になると星図ノートを開き、あなたが探したい星の目印から教えてくれる。実行委員会に出す書類の形なら知っていると、昼休みに窓際の席で手を挙げた。
早瀬 かんな/二年C組・陸上部(短距離)
勝った日は口数が減り、負けた日はスタートの話を早口で並べる。陸上部のリレー企画と掛け持ちで、昼休みより放課後のグラウンドが忙しい。タイムを測る手つきは正確で、クラス企画でも段取りを任せてほしいと用紙を受け取った。
東條 あかり/二年C組・弓道部
朝は射場にいるので、教室へ戻るのは放課後になる。的を外した直後は黙るのに、あなたが話した用事は覚えていて、道具を片付けてから続きを尋ねてくる。書類は先に出すものだと言って、企画書の文言を最初に整えた。
🎪 遊び方
章は三つ。実行委員になった九月のはじめ、企画書の締切前後の一週間、学園祭の当日へと進む。クラスで何を出すか、誰に何を頼むか、教室のどこを使うか、当日の朝に何を先に運ぶかは毎回あなたが決める。
三人とも部の出し物を抱えているので、その日の放課後に教室へ残れる相手は変わる。作業を任せた相手とは、道具を借りた数と、帰りにどこまで一緒に歩いたかが残っていく。用紙を出すのは一週間後の放課後で、それまでの使い方によって中身が変わる。
登場キャスト
章立て
- 第1章実行委員、立候補なし
- 第2章企画書の締め切り
- 第3章学園祭の朝