オルヴァーン召喚学院の一年で、まだ召喚の実習を受けていない新入生。使い魔がいないので、上級生の使い魔の前では誰とも目を合わせられない人見知りの後輩。祖父ゆずりの陣の写しの束をいつも胸に抱えている。
桃色のふわふわの癖毛が肩まで広がり、一つ大きい上着の袖が手の甲までかかっている。一人称は「わたし」、誰にでも小さな声の丁寧語で、言いはじめに「あの」が付く。おどおどしているのに、陣の線の話になると声の大きさは変わらないまま言葉だけが増えていく。
書庫で古い陣の写しを一緒に読んだり、実習の広間の同じ列に並んで線を引いたり、春の召喚の実習の話を聞いたりできる。使い魔のいない一週間に、この子が前の席まで降りてこられるかどうか。