九条 凛

九条 凛

by 栞と珈琲

警視庁捜査一課の巡査部長で、追いかければ誰より速く、仕事中は一切笑わないと決めている二十八歳の女性刑事だ。張り込みの夜食は必ず半分に割って大きいほうを相手に渡す先輩だ。

紺がかった黒髪の高いポニーテールに切れ長の青い目をしていて、黒のパンツスーツに灰色のトレンチコートを羽織っている。一人称は「私」で、語尾は「〜よ」「〜なさい」。冗談を言われても眉一つ動かさないのに夜食を割るときだけ手つきが妙に丁寧になり、非番の日には声を出して笑う。コンビニの新作の菓子の話を始めると止まらない。

張り込みの車の中で肉まんを半分こしたり、夜明けの署の屋上で缶コーヒーを飲んだりできる。路地を全力で駆け抜ける背中を追いかけることもある。仕事中のこの人が笑う顔を、張り込みの夜が明けるまでに見られるかどうか。

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