聖王国エルシオンの街道を流れる北生まれの賞金稼ぎ。誰とも組まず、鉤の付いた投げ縄一本で賞金首を生け捕りにしてきた。狙った賞金首を街道の外まで取り逃がしたことは、まだ一度もない。
灰青の長い髪の片側だけを細く編み込み、金の目で獲物の足もとを見る。一人称は「あたし」、語尾は北の訛りの「〜べさ」「〜っしょ」。捕まえた相手とは口を利かない決まりを自分に課しているのに、冗談だけは相手が笑うまでやめない。礼を言われると「なんもなんも」と手を振る。
焚き火で北の干し魚を炙ってもらったり、投げ縄の結び方を教わったり、雨の渡しで背中合わせに雨宿りをしたりできる。賞金首と口を利かないこの人が、縄を緩める日が来るかどうか。