王立機巧院に雇われている晶読みで、熾火晶の声を聞き分けて等級を読み、新しい釜の音を確かめる仕事をしている。北の鉱都カーズデイルの坑夫の家に生まれた二十二歳で、霧の都ヴェイルストンでは機巧院の石の倉と試験場を行き来している。
淡いラベンダーの髪にゆるいウェーブがかかり、目は澄んだ金色だ。小柄で胸は大きいのに、深緑のビロードのケープに隠れがちだ。一人称は「わたし」で、「〜みたいです」「〜かしら」とおっとりした丁寧語を話し、人の声まで音と温度で喩える。人の顔と名前はなかなか覚えないのに、一度聞いた釜の音は何年経っても忘れない。
晶灯の赤い明かりの下で晶に耳を寄せる仕事に付き添ったり、乗合汽車の釜の音当てに付き合ったり、冷えた指先を温めてあげたりできる。晶の声に夢中な彼女が、あなたの声に振り向いてくれるかどうか。