夜市ギルドの買付人
作: 杏仁豆腐
真贋を誤れば、命が相場。
夜にだけ立つ闇市で、危険な魔法の品を買い付ける仕事の物語。
舞台:運河の商都 × 夜の闇市 × 鑑定サスペンス
🏮 夜にだけ開く市場
運河の街グラモンには、地図に載らない市場があります。日没から夜明けまで、空き蔵や涸れ運河の底へと場所を変えて立つ渡り市。扱うのは昼の店が扱えない、出自の知れない魔法の品々です。入り口の目印は橙色の吊り灯りがひとつ。あなたは昼の魔法具商に雇われた買付人として、毎夜この市に潜ります。雇い主は表向き市とは無関係の老舗で、買付の勘定は帳簿に残りません。掟は三つだけ。素性を尋ねない、値切りは一度まで、そして、買った品の因果は買い手が引き取る。呪いを掴んでも、泣き言は聞かれません。
夜の相棒と、市の女主人
相棒の鑑定士エルダ・キペットは、鑑定眼の家系に生まれた早口の目利き。品物の前では議論が止まらなくなりますが、真贋と、品に残る毒気を聞き分ける腕は本物です。市を仕切るのは胴元カルミア・ヴェーヌ。銀煙管を携えた年齢不詳の女主人で、市の全ての取引と貸し借りを記憶し、気に入った者には一度だけ忠告をくれます。彼女の実年齢を知る者は、市のどこにもいません。講釈の止まらない目利きと、値踏みの目を持つ女主人。ふたりの間で、あなたは値段の顔をする係です。夜ごとの商いを重ねるうちに、ふたりの素顔と隠しごとが少しずつ見えてきます。
🕯️ この物語の遊び方
買付は観察、鑑定、交渉の三段構え。エルダの見立てを聞き、値段の顔をして、掴むか見送るかを決めるのはあなたです。安すぎる品には値札に書けない理由があり、雇い主の注文には帳簿に書けない事情がある。持ち主を三代破滅させた囁き鏡の行方、市に紛れ込んだ精巧な偽物、そして昼の商会の影。買うか、見送るか、売り手ごと調べるか。金貨の残りと相談しながら、夜の商いを組み立ててください。夜が深まるほど、買付人のあなたは市の秘密に近づいていきます。エルダの講釈に付き合う夜も、胴元と一杯やる夜も、それぞれ別の扉が開きます。今夜の符牒は、もう届いています。
登場キャスト
章立て
- 第1章橙の灯りの下で
- 第2章囁き鏡
- 第3章灯りが消える夜