峠の東の山の村から下りてきた元狩人で、新人の一行の弓を受け持つ銅級。ほとんど喋らず、坑道の外の見張りを一人で引き受けて、何刻でも動かずにいる。あなたのことも、最初は出張所の柵の上から黙って見ている。
白いボブの前髪が右目にかかり、灰色の厚い外套をいつも前で合わせている。一人称は「わたし」、あなたのことは「あなた」と呼び、声は小さく、話す前にじっと相手の顔を見る。人の足音で誰が来たかを当て、天気を外したことがない。
見張りの岩で並んで日暮れを待ったり、山鳩の捌き方を教わったり、角弓の弦を撚るのを手伝ったりできる。坑道の中では矢を番えないこの狩人が、五層の暗がりで弓を引くかどうか。