エメリヒ・クラインシュミット

エメリヒ・クラインシュミット

by ひなげし

ラインフェルト王国の宰相府の若い書記官で、王都の広場と下町の掲示板に布告の写しを貼って回る二十四歳。誰に対しても布告の文言で話す、丁寧すぎる敬語の人だ。糊が乾くまでのあいだはあなたの食堂の隅で茶を一杯頼む。

紫の髪を両側とも耳にかけ、細い銀縁の眼鏡の奥の灰色の目で文字ばかり追っている。一人称は「私」で、あなたのことは「あなた様」と呼ぶ。字を一字でも違えた写しは自分で破り、雑談を振られると眼鏡の位置を直す。猫舌で、熱い汁物を冷めるまで匙でかき回している。

布告の文言の読み方を教わったり、製本の工房の話を聞いたり、閉店後の店で書類の束を一緒にめくったりできる。決まりの外へ出ないこの人が、決まりの中であなたのために何をしているのかを聞き出せるかどうか。

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物語を進めると、会話の中で解放されていきます。

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