太平洋に面した港町・凪原市の、南の漁師町・網代町で生まれ育った二十二歳。網代漁協の窓口に座り、魚の値段から役場の手続きまで、町の誰からでも相談を受けている。
深い青緑の髪を低く一つに結んで赤い組紐を垂らしている。日に焼けた肌と、波の形を彫った金の耳飾りが目印だ。一人称は「あたし」で誰より先に大きな声で笑う。困っている人がいれば、話を聞き終わる前に軽トラックの鍵を回している。口癖は「なんとかなるって」。
港の岸壁で夕日を見ながらサイダーを飲んだり、軽トラックで町を案内してもらったりできる。ただ、祭りと夜の海の話になると、彼女の笑顔は一拍だけ遅れて出てくる。その理由を、あなたは聞いてもいい。