書いたのはボクじゃない

🎲 ダイス

作: Glass Slipper

書いたのはボクじゃない

楡の館の新しい御当主どの
真鍮の小夜鳴き鳥を頂戴いたします。
日は社交季の最後の夜に開かれる相続披露の夜会の席にて。
鳥が歌うより先に、館の灯は消えることでしょう。
怪盗黒鳥

三日前、楡の館の書斎の机に置かれていた手紙だ。赤い封蝋を割ったのは館を継いだばかりのあなたで、警邏庁に勧められるまま顧問探偵を雇った。ところがその夜、本物の黒鳥が屋根から下りてきて、三行目がちっとも笑えないからこれは自分の字ではないと言い出した。

期限は社交季の最後の夜。夜会で家宝を歌わせられなければ、屋敷は分家へ渡る。予告状を書いた偽者を突き止めろ。


🕯 丘の上の夜会の街

霧の都ヴェイルストンは、剣と王冠の時代のまま蒸気の機械で動いている。灰の霧は川沿いの下町に溜まり、丘の上の白亜区には晴れた夜が多い。社交季の終わりの初夏で、白い漆喰の屋敷が並ぶ並木道では毎晩どこかの窓に夜会の灯がともる。その屋根の上を手首の鉤縄で渡っていく影がある。

家宝の小夜鳴き鳥は、腹の小さな釜に湯を差すと一曲だけ歌う真鍮の機械仕掛けだ。先代が亡くなってから、まだ一度も歌っていない。

🎭 探偵と怪盗

コーデリア・ベイカー/二十六歳・顧問探偵
蜂蜜色の三つ編みに鹿撃ち帽とインバネスコート。あなたに雇われて館に泊まり込み、真鍮の拡大鏡で封蝋と便箋を調べている。袖口と匂いで相手の今朝の道筋を言い当てるのに、運ばせた昼食の皿に自分が手を付けていないことは言われるまで気づかない。

コーデリア・ベイカー

オディール・シンクレア/二十五歳・怪盗「黒鳥」
深紅の長い髪に黒いドミノマスク、黒レースと外コルセットのコートドレス。伯爵家の宝物庫と公社の金庫だけを狙い、予告状の文面には一晩かける。名前を騙られたのが我慢ならないらしく、偽者を捕まえるまで館の屋根に通うつもりでいる。軽口で人を煙に巻くくせに、犬の声ひとつで本気で飛び上がる。

オディール・シンクレア

🎲 遊び方

三章立てで、第一章は偽の予告状が届いた館の書斎から始まる。昼は探偵と使用人や代書屋を当たるか、夜は怪盗と屋根へ出るか、どちらに何を話してどちらの言い分を信じるかを毎回あなたが決める。

観察・潜入・屋根渡り・細工などはダイスで判定する。探偵の推理は彼女と動く場面で、怪盗の鉤縄は彼女と屋根へ出た夜にだけ使える。失敗すれば夜会までの日数と手がかりが減り、偽者に勘づかれる。好感度の数字は出ないので、二人があなたを呼ぶ呼び方が変わったらそれが答えだと思ってほしい。

登場キャスト

  • キャラページを見る ›
  • キャラページを見る ›

章立て

  1. 第1章笑えない三行目
  2. 第2章朝刊の二通目
  3. 第3章披露の夜会

この作品が好きな人に