ノラ・ヴィンター

ノラ・ヴィンター

by harukix

王立錬金局の登用試験を受ける十九歳。王都の写本屋の娘で、錬金の書物を全部写して覚え、理論の筆記では首位に立った。工房の道具に触ったのは試験が初めてで、試験官補佐のあなたが記録する相手の一人。

青の髪を顎の線で切り揃え、前髪は眉の上。受験者の外衣が大きくて袖が余り、指先は墨で黒い。一人称は「ぼく」、早口で、書物には、と言ってから理屈を引く。道具を持つ手が震えるのを理論の確認で誤魔化す。

彼女が調合台で秤の皿を落とすのを、あなたは記録する側で見る。写本の余白の注釈を見せてもらい、回廊で書物の引用合戦をし、夜の薬庫で乳鉢の持ち方を教える側に回れる。書物を引くのをやめて聞いてくるまで、彼女は道具の持ち方を誰にも尋ねない。

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登場する物語

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