桧山菜月

桧山菜月

by 杏仁豆腐

五月に来た転校生。父の転勤で六年間に四回移っていて、初対面の礼儀が完璧すぎるぶん、どこか距離がある。天気や前の学校といった当たり障りのない話題に逃げる癖があり、頼まれる前に気づいて動くのに、自分は誰にも頼らない。感情が動くと丁寧語がほどけて昔の砕けた口調がこぼれ、慌てて敬語に戻す。すぐ慣れるよと言われるのが苦手。鞄には引っ越すたびに一本ずつ増えた鍵が七本。嘘が下手で、つくときは右の耳たぶを触る。

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