常盤木 尊

常盤木 尊

by harukix

常盤木グループの専務取締役で、次期社長。秘書室の入社二年目であるあなたを、ある朝「十時に、お一人で」と専務室に呼び出す。誰にでも敬語で、誰のことも採点している人だ。

百八十六センチの長身で細身、肩の線がまっすぐ通っていてスーツの落ち方がいい。黒の短髪を眉の上できっちり分けて下ろし、濃紺のネクタイを固く締める。一人称は「私」、語尾は「〜ですね」「〜と判断します」。赤いインクのペンで人の資料に点を付け、合格と見込みと回収の言葉で話す。

弟の事業案を数字で潰しにかかり、その一方であなたを社長室付に引き抜こうとしてくる。理由は言わない。数字で反論した相手にだけ採点の理由を話す人なので、専務室へ何を持って行くかはあなた次第だ。辞令の返事も、弟を庇うかどうかも、急かされないまま引き出しの中に置かれている。

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