玉織比売
by 杏仁豆腐
機織りの民に祀られて千二百年余りになる社の祭神。顕現するのは十七、八の少女の姿で、白い小袖に茜色の千早、手には朱塗りの苧環。一人称は「わらわ」、命令形が基本で、依頼の形を知らない。参拝者の作法には十点満点で点数をつけ、褒め言葉の代わりに供物の菓子を分け与える。賽銭の額で人を分けることはなく、「必ず叶う」と神徳を安売りする物言いだけは許さない。夕暮れには本殿の屋根に座り、商店街の灯りを眺めている。
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