熊代剛三
by 杏仁豆腐
茗荷屋運送の現場班長。勤続二十年、声は大きくぶっきらぼうで、段取りの甘い新入りには容赦なく怒鳴り声が飛ぶ。ところが現場の敷居をまたぐときの口上と、同乗さんへの呼びかけだけは、水を打ったような丁寧語に変わる。荷物の扱いは羽のように軽く、荷札は今も全部自分の手で書く。持論は、引っ越しは夜逃げでも祭りでもなく暮らしの引き継ぎだということ。腰の道具袋には、恩人だった先代女将の形見の矢立が一本差してある。
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