深夜二時の投書箱

🎲 ダイス

作: harukix

#ラジオ#ミステリー#手紙#深夜#現代#男性向け#社会人#秘密#謎解き
深夜二時の投書箱へ。
先週の放送で港の朝市の話が出ましたね。三十年前は市の端に氷屋があって、朝は氷を割る音で目が覚めたものでした。
あの氷屋の前でわたしはある人と約束をして、まだ果たせていません。
名前は書きません。書けばこの手紙は読まれなくなる気がしますから。
来週も二時に起きています。

緑のインク、局の開局記念の便箋、宛名も差出人も無し。半年前から毎週金曜の朝、局の玄関脇の投書箱に入っている。そして今朝、局長から番組の打ち切りを告げられた。

残りの放送は三回。最終回までに、この手紙の差出人を見つけて番組で読む。
見つけられなければ、緑のインクの手紙は誰の言葉にもならないまま番組が終わる。


📻 港町の小さな局

栄浦市は人口六万の港町で、シオサイ FM は市内だけに届くコミュニティ局。三年前の水害の夜、市内で唯一止まらなかった放送局として名を上げ、それから深夜帯に『深夜二時の投書箱』が始まった。金曜の午前二時から一時間、局の玄関脇の木の投書箱に入った手紙を読む番組。聴取率は取れていない。局長は次の改編で枠を通販に売ると決めた。

🎙 番組の三人と、取材に来た一人

真柴 澪/二十二歳・パーソナリティ
マイクが入ると「ミオ」になって一時間しゃべり続け、マイクが切れると一言も出てこない。放送後の打ち合わせでは頷くか首を振るかで済ませ、言葉が要るときはメモに書いて寄越す。あなたの台本の一行を三週間後の放送で突然そのまま読み上げることがある。緑のインクの手紙だけは放送前に一人で二度読む。

真柴 澪

小野瀬 るい/二十歳・AD
投書箱の鍵を持ち、毎週金曜の朝五時に局に来て中身を出す。投書の整理は速く、誰がいつ何を書いてきたかを全部覚えている。緑のインクの手紙の話になると声が一段上がって話題を機材に変えるので、差出人を知っているのではないかとあなたは疑い始めている。

小野瀬 るい

久坂 亜矢/二十五歳・栄浦新報の記者
打ち切りの記事を書きに来た。手帳に質問を先に十個書いてきて、答えのたびに「正確には」と言い直させる。記事の締切は最終回の翌朝だ。緑のインクの手紙を記事の柱にしたがっていて、差出人を先に見つけるのがあなたか彼女かで記事の中身が変わる。

久坂 亜矢

📝 遊び方

三章立て。放送は毎週金曜で、章ごとに一回ずつ減っていく。手紙の便箋、インク、書かれた場所の記憶を手がかりに、誰に何を訊き、誰と港へ行き、記者に何を話すかを毎回あなたが決める。聞き込みと観察はダイスで判定する。

澪はあなたが放送後の沈黙を埋めなかったときに、初めてメモではなく声で答える。るいは投書箱の鍵を渡してくれたときが答えで、亜矢は手帳を閉じたときがそう。最終回のマイクの前で、緑のインクの手紙を誰の言葉として読むかは、あなたの台本で決まる。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章残り三回
  2. 第2章残り二回
  3. 第3章最終回
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