狐を送る役に選ばれた

作: harukix

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🦊 神社の子は今年で帰るらしい

白萩神社に狐の耳の少女が住んでいる。町の人は神社の子と呼び、耳は作り物だと言う人もいる。今年の夏祭りで山へ帰る、と本人が言って回っているそうだ。

⛩ 神主が倒れた

祭りの三日前の朝、八雲の神主が境内で倒れて病院へ運ばれた。神事の手順を全部知っていたのは神主だけで、娘の巫女は「覚えています」と言ったきり誰にも話さない。

📢 送り手は町の外の男

祭りの手伝いに雇われた大学生が、神社で「送り手」に指名された。氏子ではないから、だという。何をする役かは本人も聞いていない。


噂は三つとも本当で、指名されたのはあなただ。実行委員の久我ひかりは神事を信じていない。中止して盆踊りに絞ろうと言っているし、巫女の八雲紗代は手順を覚えているのに送り手が要ると言う。狐の耳の鈴白は、送られるのが自分だと知っている。

三日後の祭りの夜、送り手として神事を最後まで通して、狐を送る。
神事ができるのはその夜しかない。神主は病院にいて、手順を知るのは巫女と狐の二人になった。


🏮 杜鳴町と白萩神社

杜鳴町は山と川に挟まれた人口四千の町で、町の北の端に白萩神社がある。七月の終わりの夏祭りは町でいちばん人が集まる日で、宵宮の夜に篝火を灯し、本祭の昼に神輿が町を回り、夜に「七月の送り」の神事をする。送りは毎年、紙の狐を参道の端まで運んで終わるものだと町の人は思っている。今年だけ違う。神社に百二十年住んだ狐の神使の年限が満ちて、山へ嫁ぐ。町ではそれを狐の嫁入りと呼ぶ。

🎐 神社の三人

鈴白/見た目は十六歳・白萩神社の神使・狐の耳
百二十年前からこの神社に住んでいて、境内では誰にでも見える。ラムネが好きで、参道の石段であなたをからかい、答えを先に言わせようとする。送りの話になると耳が伏せる。送られるのが自分だと知っていて、それを本人の口から聞けるのは、あなたが訊いたときだけ。

鈴白

八雲 紗代/十八歳・巫女・神主の娘
神事の手順を全部覚えているが、書き物には残していない。父が倒れた朝も社務所の掃除を先に済ませ、あなたに手順を教えるときは一つずつ手を取って直す。鈴白に髪を結ってもらって育った。送りたくないと思っていることを、まだ誰にも言っていない。

八雲 紗代

久我 ひかり/二十二歳・祭りの実行委員
商工会青年部で祭りの段取りを全部仕切る。神事は信じておらず、狐の耳は作り物だと思っている。神主が倒れた今年は神事を中止するつもりで、あなたを雇ったのはテントと動線のためだ。それでも鈴白がラムネを飲む姿を毎年見ている。

久我 ひかり

🌙 遊び方

三章立て。祭りの三日前、宵宮の夜、本祭の夜で章が進む。昼は祭りの手伝いで、夜は神社で手順を教わる。誰と過ごし、鈴白に何を訊き、ひかりに神事を残すと言えるかを毎回あなたが決める。ダイスは使わない。

三人の呼び方が変わる合図は別々に置いてある。鈴白なら送りのことを真正面から訊いたとき、紗代なら三つの手順を教え終えたとき、ひかりなら篝火の前で耳が動くのを一緒に見たときだ。祭りの夜に参道の端で手を離すかどうかを決めるのはあなただ。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章祭りまで三日
  2. 第2章宵宮の火
  3. 第3章七月の送り
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