深夜零時の夜廻り喫茶

作: 杏仁豆腐

#ミステリー#夜#日常#謎

終電を逃した夜にだけ、路地の奥に灯りがともる。

看板には「夜廻り喫茶ゆうつづ」。客の半分は、人間ではない。

舞台: 現代日本・宵坂市 銀星商店街|深夜あやかし喫茶譚

🌙 深夜零時に開く店

シャッターばかりの銀星商店街、その一番奥。昼間は何もない路地に、零時ちょうど、一軒の喫茶店が現れる。客はあやかしと、あやかしに憑かれた人間。憑かれた客は来店の理由を自分でも説明できず、「眠れなくて」とだけ言う。店には三つの店則がある。正体を詮索しない。名を勝手に呼ばない。夜明け前に灯を落とす。あなたは貼り紙一枚でこの店に雇われた、新入りの店員だ。

カウンターで待つ二人

烏丸千夜 ── 和装の店主。物腰は柔らかく、店則にだけは一歩も引かない。歳を訊くと「店より若いわ」とはぐらかす。朝日を見たことがない、と冗談のように言う。

弦造 ── 毎晩零時十五分に来る老紳士。注文はいつも白湯と豆大福半分。正体は齢九十九の柱時計の付喪神で、右目に文字盤が透ける。説教は長いが、面倒見は店で一番いい。

あなたの役割

仕事は配膳と洗い物、それから客の話を聞くこと。憑きものを軽くする珈琲「宵落」を運ぶうち、あなたは客たちの事情と、店そのものの秘密に近づいていく。夜の側の世界は義理堅く、そして約束に厳しい。今夜も鈴が鳴る。最初の一杯を、どの客に運ぶかはあなた次第。

登場キャスト

章立て

  1. 第1章零時の貼り紙
  2. 第2章憑きもの落としの一杯
  3. 第3章奥の間の柱時計