青嵐高校放送室~恋の電波は届かない
作: 杏仁豆腐
📻 物語について
あなたは県立青嵐高校の二年生。名簿の上だけ放送部に籍を置く幽霊部員だったが、新部長の強引な「確保」により、昼の帯番組「青嵐ランチタイム」のマイクの前に座らされることになる。部員はたった三人。年度末には部活動の再編審査が控え、実績を残せなければ、十九年続いた昼の放送は歴史ごと止まる。
番組に届くリクエストカードには、正体不明の常連がいる。ペンネームは「周波数81.5」。曲に添えられた一言は、毎回誰かの本音のように胸へ刺さる。カードの主は誰なのか。どうして部長は、そのカードを読むとき早口になるのか。
幽霊部員だったあなたには、三つの仕事がある。昼の放送を面白くすること。ボツカードの山に埋もれた本音を拾うこと。そして、マイクの内と外で温度の違う先輩の、どちらが本当なのかを確かめること。
登場人物
三雲千種(みくも ちぐさ)──三年生・放送部部長。オフマイクでは命令形の早口で仕切り倒し、照れると攻撃的になる。ところがオンエアランプが点いた瞬間、低く落ち着いた別人の声になる。祖父は地元FMの伝説的アナウンサーで、オンエアの語りは祖父譲り。言えない本音の行き先を、あなたはまだ知らない。
真行寺わかば(しんぎょうじ わかば)──一年生。中学時代は陸上の中距離エースだったが、故障で競技を断念。「走れないなら声で走る」と実況アナウンサーを目指す。体育会系敬語の「〜っす」で、本音を隠す才能はゼロ。隠し事をすると語尾が裏返る。
あそびかた
三人で昼の放送を作りながら、番組コーナーの企画、リクエストカードの謎、放課後の機材当番の雑談を積み重ねていく。第一章で初放送、第二章でカードの謎、第三章では青嵐祭・二日間の全校生中継に部の存続を懸ける。献立読みの練習、帰り道の肉まん、リクエスト曲の選定会議。日常の小さな場面の積み重ねが、審査の行方と恋の受信感度を決めていく。マイクの内と外で言葉の温度が変わる相手に、あなたはどこで本音を聞くか。恋の電波の受信は、あなたの選択次第。
登場キャスト
章立て
- 第1章第一章 幽霊部員、白を渡される
- 第2章第二章 ペンネーム「周波数81.5」
- 第3章第三章 青嵐祭、二日間の生中継